2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「さらっと読む」ほうがいいでしょう。

吉本隆明が「解らない」のは、吉本の文体、書き方のせいもありますから、致し方がないですよ。古本屋のおやじの意見も、「リュウメイは難しいよ」というものでした。 RT @nakagawasun: 昨日ユースト聴いていてほとんど解らなく聞いていたそれはもちろん「さ…

寺山修司寸評(続きの続き)

寺山修司の表現活動は短歌に要約されるが、彼の最も有名な一首は、マッチをつかの間擦ることと「祖國」を思うことを結び付けたもので、なるほど深刻ではなく「軽い」ものだが、それでも一定のナショナルなもの、ナショナリズムを感じさせるものではある。晩…

寺山修司と思想家群像

寺山修司について指摘しておくべきなのは、1960年の安保闘争のとき『天井桟敷』の若い劇団員がデモに行こうとしたら、「デモに行くな」と体を張って強引に止めたのに、68-9年の全共闘には積極的だったということで、このことから、寺山にとっては「68年革命…

寺山修司寸評(続き)

寺山修司の演劇は「想像力」派といわれたが、寺山の「想像力」は、唐十郎の「肉体」などとは違っている。寺山が遺した表現を読んで感じるのは「肉体」、具体性の不在である。彼はどこからどうみても「言葉」の人であり、言葉の魔術師、呪術師、要するに詩人…

寺山修司寸評

寺山修司の演劇活動の時期を幾つかに区分することができるが、まず始まりは、「見世物の復権」である。立ち上げられた「天井桟敷」には美輪明宏が在籍しただけではなく、小人・大女などフリークスもいて、観客を挑発したはずである。それから、第二期は『人…

想像力より高く飛べる鳥は…

"To be, or not to be: that is the question"、「どんな鳥も想像力より高く飛べる鳥はいない」と言いながら、寺山修司はこの英文を「飛べ、飛べ、もっと飛べ」と訳したはずだが、『人力飛行機ソロモン』だっただろうか。私は勿論、世代的に、劇団「天井桟敷…

マルクス『資本論』

「労働力の売りと買いとが、その柵の内で行なわれている流通または商品交換の部面は、実際において天賦人権の真の花園(エデン)であった。ここにもっぱら行なわれることは、自由、平等、財産、およびベンサムである。自由! なんとなれば、一商品、例えば労…

スピノザ『国家論』

「私は特に「国家の規定によって」と断わる。なぜなら、各人の自然権は、事態を正しく考量するなら、国家状態の中においても終熄しはしないからである。実に人間は、自然状態においても国家状態においても、自己の本性の諸法則によって行動しかつ自己の利益…

ヒューム「原始契約について」

「族長がすすんで権威を行使したのは異例の場合であり、しかもよほど事態がさし迫った場合に限られていたに違いない。けれども、族長の介入に利点のあることが気づかれるにつれて、このような権威の行使は日ましに頻繁になっていったに違いない。そして、こ…

sur le contrat social

さっき書き忘れたが、社会契約(le contrat social)は、最低限擬制(une fiction)だし、もっと酷い場合欺瞞(une mystification)でさえある。初期の吉本隆明の主著の題名が『擬制の終焉』だったことを思い起こしてもいいだろうが、但し、吉本が「擬制」といって…

le contrat social comme une fiction

さて、14歳のときにルソーの『社会契約論』に疑問を持ったし少しも同意・賛同できなかった、ということだが、吉本隆明の意見への支持はともかく、ルソーの社会思想の拒否を、私は今でも取り消すつもりはない。というのも、20世紀以降どうだったかということ…

dreams / reves

体調が悪いので、ほんの少し横になると、次から次に奇妙な夢。まず最初の夢では、「新インコの人」が芸音音楽アカデミー、自宅に遊びに来るが、彼があれこれ失礼なことをいうので、私はキレて、「帰れ」、「二度と来るな」と怒鳴りつける。が、「インコの人…

2012年6月20日(水)、Facebookにて、Charlie Rouse "Yeah!"

通貨名 = "son"(孫) RT @bezoku: If God did not exist, it would be necessary to invent Him. 超訳:反原発派だけで流通する新貨幣を作れば、現日本国家は潰せるにゃん。その新貨幣には税金も課税できにゃい!レッスンまで少し休むかな。今日も病院に逝…

2012年6月20日(水)、Facebookにて、「現代思想」について考える。

Paul Virilio(ポール・ヴィリリオ)の想い出を少し書くが、彼?が日本に紹介されたのは、市田良彦が訳した『速度と政治』によってで、それは確かに斬新で衝撃的な内容であった。どこが斬新だったのかといえば、とにかくリアルな認識だということで、彼はマル…

2012年6月20日(水)、Facebookにて、吉本隆明について考える。

マルクスに限らず「資料」総体というのは難しい問題で、例えば吉本隆明にしても、彼が膨大に書き散らしたテキストの全部が『著作集』に入っているわけではなく、地域の図書館の資料も一部だから、全部調べようと思えばそれこそ国会図書館にでも行くしかない…

吉本隆明の「解体」

もう少し具体的な背景を説明しておくべきだろうが、戦時中、吉本隆明は狂信的な軍国少年であった。それが本当かどうか確かめる方法はないが、とにかく、本人がそう証言し言い張っていたのは文献的な事実で、1950年代にデビューしたときの彼の徹底したスタン…

「庶民・吉本隆明」という思想家

補足していえば、まさに今いった理由で、吉本隆明は、戦前や同時代の左翼知識人に対する自らの優位を誇っていた。吉本からみれば、かつての、そして現在(当時)の左翼は観念的であり、大衆を感情的、情緒的、共感的に受け入れることができないから(吉本の…

「大衆の原像を自己思想に繰り込む」ということ

@sunamajiri @nakagawasun 私は吉本隆明の考え方は面白いと思いますが、一般的な(或いは、普通の)マルクス主義、フロイト主義とは違う、良くも悪くも「独自」の思想だと思いますよ。「大衆」、「原生的疎外」などについて、多くの人々は吉本のようには考え…

status ideae

現代の我々と17世紀のデカルト、スピノザの考え方が大きく異なるのは、そういうことだけではない。私は先程、「私が今見ているこの机」の「観念(idea)」を例に挙げ、17世紀の思想家において問題だったのは「一般概念」ではない、といったが、必ずしもそうで…

realitas objectiva ideae

"realitas objectiva ideae" (Descartes)のことを考えていた。大本薫さん(sunamajiriさん)が、ずっと長いこと國分功一郎さんの『スピノザの方法』(みすず書房)を読み続け、そこで著者の國分さんが言及しておられたスピノザの「観念理論」のことを気にさ…

物証がない。

物証がない。→「木嶋佳苗被告とその裁判については、死刑判決に反対する、という観点からのみ私は関心を持つ。木嶋被告の人格問題に煽情される人は、生き方をどこかで根本的に間違ってきたのだと思う。(suzuken2002)」全部状況証拠だけである。疑わしくて…

21世紀のレーニン主義者諸氏への論評

21世紀のレーニン主義者諸氏への論評ということで私が念頭に置いているのは、別に白井聡さんではない。mixiなどで知っている人々にレーニン主義を支持する人々がいるから、彼らのことである。私の考え方を一言でいえば、「党」建設、蜂起(暴力革命)などで…

valeur

一応、念のため。→柄谷行人の(平野謙を経由した)小林秀雄=人民戦線説には具体的な根拠も実証もなく、ただの推測なのですよ。初期の小林秀雄が『資本論』を徹底的に読解していた、という柄谷の説は既に実証的に否定されており、三木清経由のマルクス理解だ…

ホッブス、「恐怖」の思想家

「私の生涯は恐怖そのものであった」、とホッブスはどこかでいっているが、「恐怖そのもの」とは、ホッブスが生きた時代のイギリスで戦乱が続き、彼の母親が恐怖の余り彼を早産した、というところから始まる。確かホッブスの問題とはピューリタン革命だった…

ファキウス、「束」。

「まずは一安心ですね☆ここからは肝心の実施部分を細かく詰めてゆくステップですから、お母さん達の目線がとても必要です!!RT @tunmama@TsutsumiMika こんにちは!毎週JAM THE WORLD 聴いてます。「原発事故被災者支援法案」原案通り可決しましたね!」(…

市田良彦、ネグリ、ハーヴェイ

市田良彦『革命論:マルチチュードの政治哲学序説』(平凡社新書)、読了。読後の感想は、「もっと経験的に考えるべきだ」、という一点に尽きる。実際「革命」であれ革命以外の政治であれ、具体的な生きた諸個人とその利害に関わるのだから、ネグリがどうの…

mauvaise foi

"Well-Tempered Clavier"、何度も書いているが、冒頭の"Prelude and Fugue No.1 in C major", "Prelude and Fugue No.2 in C minor"が付きで、繰り返し繰り返し聴いている。リヒテル、グールドで持っているが、もっと無限に聴きたいところである。実際、私に…

私はこれから先の永遠を駄洒落で支えていくようにとの刑罰を受けており、……

"Well-Tempered Clavier"、私が特に好きなのは、"Prelude and Fugue No.2 in C minor"である。(performed by Sviatoslav Richiter" 空腹になったからお好み焼きを食べたが、今日もまた病院に行きそびれてしまった、というのは、一応、インターネットで千葉県…

imagination = Einbildungskraftを巡って

Car avec Dieu, tout est permis. →「というのも、神とともに、全ては許されるからである。」"moralement"に(道徳的に)許されるというだけではなく、"esthetiquement"に(美的)にも許される。暴力及び陋劣さ(infamies)が常に聖なる正当化(une sainte just…

C'est avec Dieu que tout est permis.

Il ne faut pas dire "si Dieu n'est pas, tout est permis". C'est juste le contraire. Car avec Dieu, tout est permis. C'est avec Dieu que tout est permis. Non seulement moralement, puisque les violences et les infamies trouvent toujours une …