2012-06-21から1日間の記事一覧

「さらっと読む」ほうがいいでしょう。

吉本隆明が「解らない」のは、吉本の文体、書き方のせいもありますから、致し方がないですよ。古本屋のおやじの意見も、「リュウメイは難しいよ」というものでした。 RT @nakagawasun: 昨日ユースト聴いていてほとんど解らなく聞いていたそれはもちろん「さ…

寺山修司寸評(続きの続き)

寺山修司の表現活動は短歌に要約されるが、彼の最も有名な一首は、マッチをつかの間擦ることと「祖國」を思うことを結び付けたもので、なるほど深刻ではなく「軽い」ものだが、それでも一定のナショナルなもの、ナショナリズムを感じさせるものではある。晩…

寺山修司と思想家群像

寺山修司について指摘しておくべきなのは、1960年の安保闘争のとき『天井桟敷』の若い劇団員がデモに行こうとしたら、「デモに行くな」と体を張って強引に止めたのに、68-9年の全共闘には積極的だったということで、このことから、寺山にとっては「68年革命…

寺山修司寸評(続き)

寺山修司の演劇は「想像力」派といわれたが、寺山の「想像力」は、唐十郎の「肉体」などとは違っている。寺山が遺した表現を読んで感じるのは「肉体」、具体性の不在である。彼はどこからどうみても「言葉」の人であり、言葉の魔術師、呪術師、要するに詩人…

寺山修司寸評

寺山修司の演劇活動の時期を幾つかに区分することができるが、まず始まりは、「見世物の復権」である。立ち上げられた「天井桟敷」には美輪明宏が在籍しただけではなく、小人・大女などフリークスもいて、観客を挑発したはずである。それから、第二期は『人…

想像力より高く飛べる鳥は…

"To be, or not to be: that is the question"、「どんな鳥も想像力より高く飛べる鳥はいない」と言いながら、寺山修司はこの英文を「飛べ、飛べ、もっと飛べ」と訳したはずだが、『人力飛行機ソロモン』だっただろうか。私は勿論、世代的に、劇団「天井桟敷…

マルクス『資本論』

「労働力の売りと買いとが、その柵の内で行なわれている流通または商品交換の部面は、実際において天賦人権の真の花園(エデン)であった。ここにもっぱら行なわれることは、自由、平等、財産、およびベンサムである。自由! なんとなれば、一商品、例えば労…

スピノザ『国家論』

「私は特に「国家の規定によって」と断わる。なぜなら、各人の自然権は、事態を正しく考量するなら、国家状態の中においても終熄しはしないからである。実に人間は、自然状態においても国家状態においても、自己の本性の諸法則によって行動しかつ自己の利益…

ヒューム「原始契約について」

「族長がすすんで権威を行使したのは異例の場合であり、しかもよほど事態がさし迫った場合に限られていたに違いない。けれども、族長の介入に利点のあることが気づかれるにつれて、このような権威の行使は日ましに頻繁になっていったに違いない。そして、こ…

sur le contrat social

さっき書き忘れたが、社会契約(le contrat social)は、最低限擬制(une fiction)だし、もっと酷い場合欺瞞(une mystification)でさえある。初期の吉本隆明の主著の題名が『擬制の終焉』だったことを思い起こしてもいいだろうが、但し、吉本が「擬制」といって…

le contrat social comme une fiction

さて、14歳のときにルソーの『社会契約論』に疑問を持ったし少しも同意・賛同できなかった、ということだが、吉本隆明の意見への支持はともかく、ルソーの社会思想の拒否を、私は今でも取り消すつもりはない。というのも、20世紀以降どうだったかということ…

dreams / reves

体調が悪いので、ほんの少し横になると、次から次に奇妙な夢。まず最初の夢では、「新インコの人」が芸音音楽アカデミー、自宅に遊びに来るが、彼があれこれ失礼なことをいうので、私はキレて、「帰れ」、「二度と来るな」と怒鳴りつける。が、「インコの人…

2012年6月20日(水)、Facebookにて、Charlie Rouse "Yeah!"

通貨名 = "son"(孫) RT @bezoku: If God did not exist, it would be necessary to invent Him. 超訳:反原発派だけで流通する新貨幣を作れば、現日本国家は潰せるにゃん。その新貨幣には税金も課税できにゃい!レッスンまで少し休むかな。今日も病院に逝…

2012年6月20日(水)、Facebookにて、「現代思想」について考える。

Paul Virilio(ポール・ヴィリリオ)の想い出を少し書くが、彼?が日本に紹介されたのは、市田良彦が訳した『速度と政治』によってで、それは確かに斬新で衝撃的な内容であった。どこが斬新だったのかといえば、とにかくリアルな認識だということで、彼はマル…

2012年6月20日(水)、Facebookにて、吉本隆明について考える。

マルクスに限らず「資料」総体というのは難しい問題で、例えば吉本隆明にしても、彼が膨大に書き散らしたテキストの全部が『著作集』に入っているわけではなく、地域の図書館の資料も一部だから、全部調べようと思えばそれこそ国会図書館にでも行くしかない…

吉本隆明の「解体」

もう少し具体的な背景を説明しておくべきだろうが、戦時中、吉本隆明は狂信的な軍国少年であった。それが本当かどうか確かめる方法はないが、とにかく、本人がそう証言し言い張っていたのは文献的な事実で、1950年代にデビューしたときの彼の徹底したスタン…

「庶民・吉本隆明」という思想家

補足していえば、まさに今いった理由で、吉本隆明は、戦前や同時代の左翼知識人に対する自らの優位を誇っていた。吉本からみれば、かつての、そして現在(当時)の左翼は観念的であり、大衆を感情的、情緒的、共感的に受け入れることができないから(吉本の…

「大衆の原像を自己思想に繰り込む」ということ

@sunamajiri @nakagawasun 私は吉本隆明の考え方は面白いと思いますが、一般的な(或いは、普通の)マルクス主義、フロイト主義とは違う、良くも悪くも「独自」の思想だと思いますよ。「大衆」、「原生的疎外」などについて、多くの人々は吉本のようには考え…

status ideae

現代の我々と17世紀のデカルト、スピノザの考え方が大きく異なるのは、そういうことだけではない。私は先程、「私が今見ているこの机」の「観念(idea)」を例に挙げ、17世紀の思想家において問題だったのは「一般概念」ではない、といったが、必ずしもそうで…

realitas objectiva ideae

"realitas objectiva ideae" (Descartes)のことを考えていた。大本薫さん(sunamajiriさん)が、ずっと長いこと國分功一郎さんの『スピノザの方法』(みすず書房)を読み続け、そこで著者の國分さんが言及しておられたスピノザの「観念理論」のことを気にさ…