無題

 窓の外は雨が降っている。予報によれば、不安定な気候は木曜迄続くそうだ。今朝──いや今晩は、元気な猫二匹に起こされた。気付けば二匹とも戸の隙間から入り込んでいたのだ。まんマルとボンねこの二匹だが、これ以上仔猫が増えても飼い続けるのは大変なので、避妊手術も必要かなあと思案する。かわいそうだが、家中猫屋敷のようになっても……。猫は可愛いのだが、餌代も掛かるしトイレの世話もしないといけないし、構って遊んであげないといけないし……。そういえば昔知り合いが引用していたが、モンテーニュだかに人間が猫と遊ぶとき、実は猫に遊ばれているのではないかどうかはわからない、という箴言があるそうだ。モラリスト……人性観察家というだけでなく、猫性観察家か。
 もう配布が必要なものは在住地区に四〇〇前後しかないので、雨が強いおりは配布には出ない。本日は九時から病院でリハビリである。十一時にはメール便の荷物が届くと思う。リハビリはここ数日多忙を極め、特にはやっていないが、仕事で右手も使うため動きもどんどん良くなってきてはいるようだ。だが、まだ痛みはあるし若干熱を持っているし、昨日も原付の下敷きになってしまったが、幸いにもかすり傷一つ負わなかった。やはり神の御加護があるのだろうか。
 反対派は「戦争法案」と呼ぶが、それはともかくとしていま話題になっている安保法案への反対が六六パーセントだという報道がJNNか何かで出たのを先程ヤフーで拝見した。見出しだけで中身は読んでいないが──読む必要がないし──、昨日の配布と配達が「六六六部」という幸先と縁起の良い数字だったことを想い出した。尤もそれ以外に二つ仕事はやっており、それは加算していないから適当なのだが。日曜日の午前に、勿論私が観ているわけではなく両親が観ていたのだが、関口宏サンデーモーニングでシールズなどの国会前抗議や「総がかり」が絶讃されているのを見掛けて不愉快というか鼻もちならなかった。あらゆる政治的発言や批判や「行動」が嫌いだからだが、これまたジャギやアミバ的なダークな嫉妬感情なのだろうか。とか、また漫画に飛躍するわけだが。漫画の話に転ずれば、漫画なのだからコミカルであり、省略や類型化が効いているのは当たり前のこととして、嫉妬や裏切りなどの捉え方や描き方も毎回同じだなあとは思う。
 『北斗の拳』についてそのテーマは「悪の可愛らしさ」だと申し上げたのは、人間そのものの面白さが誇張的に描かれているということであって、ケンシロウやレイなどの善玉、ベイビーフェイス、ヒーローは人形のようなものである。人形といえば、初回登場時のユリアは精巧な人形だったわけだが、この漫画に出てくる女性たちはほとんど全員お人形のようである。そうでなければ、マミアのように「女を捨てて」戦いに生きる女性、さもなくば子供であるかだが、そこに『少年ジャンプ』的なというか、食い気色気より戦いという傾向や嗜好や価値観の色濃い表出を看て取るのも、あながち間違いではないように思われる。