2012-03-06から1日間の記事一覧

お喋り

です。http://www.ustream.tv/recorded/20920525

近況アップデート

南条あやのことを考えていました。彼女には『卒業式まで死にません』(新潮文庫)という死後に出た著書がありますが、その解説を香山リカが書いています。私は、山田花子(『自殺直前日記』太田出版)、南条あや(『卒業式まで死にません』新潮文庫)、二階…

Vladimir Horowitz "The Last Recording"

ウラディミール・ホロヴィッツの『ザ・ラスト・レコーディング』を聴いています。1989年10月20日から11月1日にかけてのレコーディングで、その4日後、1989年11月5日に彼は85歳で急逝しました。内容は、ハイドンのピアノ・ソナタ第59番変ホ長調、ショパンのマ…

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ホロヴィッツはトスカニーニの娘と結婚したわけですが、彼はトスカニーニを非常に畏怖していました。それから、トスカニーニの娘はホロヴィッツが同性愛者であることを当然承知したうえで結婚したわけです。彼女は自分の目の前でホロヴィッツが若い男に色目…

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68年までのホロヴィッツはパーフェクトであった、といいましたが、本当はそうではありません。ホロヴィッツの評伝(彼はこれが出版されてしまうことを非常に嫌がっていました)などに書いてありますが、1965年の「歴史的復帰」以降のカーネギー・ホールでの…

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RCAに復帰してからの、つまり、何度目かの隠退から復帰してからのホロヴィッツが時に荒っぽいというのは、『ホロヴィッツ・プレイズ・リスト』に入っているリストのピアノ・ソナタの演奏などについてそういえるでしょう。他にもあります。リストのピアノ・ソ…

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ホロヴィッツといえば『ラスト・レコーディング』を聴くつもりですが(私は発売されたときに購入してよく聴いていたと思います)、音楽的、技巧的にどうこういうものではないのですが、どことなく静謐な感じで好きです。70年代以降のホロヴィッツは好調、不…

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ホロヴィッツの意見では、モーツァルトは「喜怒哀楽の幅広い感情をもつ、感じやすい、現世的な人間」であり、「真にロマンティックな作曲家」だとのことですが、ホロヴィッツのようなヴィルトゥオーゾ(超絶技巧家)の世代はそうではなかったのかもしれませ…

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晩年のホロヴィッツがカルロ・マリア・ジュリーニが指揮するミラノ・スカラ座管弦楽団と共演したモーツァルトの「ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488」を聴いていますが、クラシック、特にモーツァルトのファンには非常に評判が悪い演奏だということは知って…

Vladimir Horowitz "Horowitz Plays Mozart"

Vladimir Horowitz "Horowitz Plays Mozart" Piano Concerto No.23 K.488 - Piano Sonata K.333 Orchestra Del Teatro Alla Scala Carlo Maria Giulini(録音:1987年3月 ミラノ、アバネラ・スタジオ)モーツァルト : ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488アー…

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どうしてそのようなことになってしまったのかといえば、80年代と2012年の現在とでは、政治的、経済的、文化的などありとあらゆる意味で条件が変わってしまった、余裕がなくなったということでしょう。政治的なことをいえば9.11とその後の報復戦争以降世界情…

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香山リカにしても、浅田彰がさっさと転向してモダニストに変わってしまったことに驚いたし、そのことを恨んでいたわけです。けれども彼女自身が変わりました。最近の彼女の本を読んで、この人が昔はラカンやツェランからお洒落な引用を一杯しながら『リカち…

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若き日の橋本治に限らず、もう当時のことはすっかり分からなくなってしまっています。21世紀に生きている現代の我々は「プレカリアート(不安定労働者)」とか「反貧困」とかいいます。しかし、80年代に日本が欧米を凌ぐと自己錯覚したほどに豊かであった(…

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橋本治が描いたのは70年代か80年代の日本です。当時は豊かになっていたでしょうが、まだインターネットなどはありませんでした。『桃尻娘』連作にしてもそのような状況で若い人がどのように生きてきたかというような話です。それが発表された当時、よく橋本…

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橋本治という人の原光景を考えるときに、ごく初期の「ブルーベリー邪夢」とかいう小説ともエッセイともいえない奇妙な短い文章が参考になります。もともと少女漫画からのパラフレーズだと思います。その内容を要約すれば、同性愛の少年がいて年上の男性と付…

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私は高校生のときに橋本治を読みました。以来、彼が書いたハッピー・エンドなるものの意味を考えてきました。それはこういうことです。連作の終わりに、木川田君は異性、女性と付き合うようになります。他方、木川田君の友達(名前を忘れました)のほうは、…

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木川田君が未来を得るために頑張ったとかいっても、実際には作者である橋本治がそのように書いたというだけのことです。最初橋本治には、木川田君の話に多くのページを費やすつもりはありませんでした。自分でいっているように、木川田君のようなタイプの人…

Gustav Mahler(1860-1911), Symphonie Nr.9

Gustav Mahler(1860-1911), Symphonie Nr.9 Berlin Philharmonic Orchestra Sir John Barbirolliマーラー:交響曲第9番アーティスト: バルビローリ(サー・ジョン),マーラー,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン発売…

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具体的に指摘をしましょう。高校生である木川田君が同性愛の同年代の子とセックスをするという場面があります。相手はそれなりに可愛い子です。でも木川田君はなんとなく憂鬱です。自分が寝た相手のこともうざったいと感じています。それはどうしてでしょう…

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けれども私は橋本治に現実的な認識がなかったと言いたいわけではありません。そうではないと思います。彼は『桃尻娘』という連作小説を書きました。私は傑作だと思います。そのなかに木川田君というゲイの若い人(高校生だと思います)が出てきます。連作が…

Gustav Mahler(1860-1911), Symphonie Nr.4 G-dur

Gustav Mahler(1860-1911), Symphonie Nr.4 G-dur 1. Bedachtig. Nicht eilen - Recht gemachlich 2. In gemachlicher Bewegung 3. Ruhevoll (Poco adagio) 4. Sehr behaglichJo Vincent (soprano) Royal Concertgebouw Orchestra, Amsterdam Conducted by W…

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少し違った角度から考えてみましょう。河出文庫から出ていると思いますが、若き日の橋本治はどうして、『蓮と刀』とか『秘本世界生玉子』などで、夏目漱石の『こころ』、トーマス・マンの『ヴェニスに死す』、果ては同性愛者の雑誌である(もう廃刊された)…

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ヴィスコンティの映画では再現されていなかったと思いますが、トーマス・マンの小説には、主人公が一所懸命、自分は偉いのだと自分に言い聞かせようとする場面があります。自分は偉いというのは、単に有名であるということではなくて、自分の文学的な仕事が…

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『ヴェニスに死す』の主人公は、小説を読もうと映画を観ようと、同性愛者であるという印象はありません。彼はただ単に旅行先でタッジオと出会ってしまったから、惑わされてしまったというそれだけのことです。彼は高齢だし成功した芸術家で、名声を得て、社…

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グスタフ・マーラー(Gustav Mahler(1860-1911))『交響曲 第5番 嬰ハ短調(symphony no.5 in C sharp minor)』ですが、これは一般には、ヴィスコンティが彼の映画『ヴェニスに死す』でその第四楽章、アダージェットを全面的に使ったということで広く知られてい…

グスタフ・マーラー『交響曲 第5番 嬰ハ短調』

グスタフ・マーラー(Gustav Mahler(1860-1911))『交響曲 第5番 嬰ハ短調(symphony no.5 in C sharp minor)』 第一楽章:葬送行進曲;威厳ある歩調で、厳格に、葬列のように 第二楽章:嵐のように激動して、最上の激しさをもって 第三楽章:スケルツォ;力強…

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映画『マーラー』を観て私が考えるのは、明るさは滅びの姿であり暗いうちは滅びないという『右大臣実朝』です。死を異常に恐怖しているマーラーは実際には死にませんでした。けれども死の恐怖から解放されて明るく晴れやかに元気になるとすぐに死んでしまい…

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死の問題に戻りますと、別にマーラーは死にたかったというわけではありません。むしろ死ぬのがとても怖かったのです。なるほど死ぬのが怖い(なぜなら、死んでしまったらどうなるのか誰にも分からないのですから)というのはありふれているかもしれません。…

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マーラーの話をしますが、別にマーラーを専門的に研究したわけではありませんし、そのようなことが可能な環境もありませんでした。私の知識の多くは、もう監督の名前も忘れましたが、『マーラー』という映画に基づきます。さて、マーラーは死を異常に恐れて…

グスタフ・マーラー『交響曲「大地の歌」』

グスタフ・マーラー(Gustav Mahler(1860-1911))『交響曲「大地の歌」(Das Lied Von Der Erde)』 第一楽章:現世の寂寥を詠える酒宴の歌 1st Mov.: Das Trinklied vom Jammer der Erde 第二楽章:秋に消え逝く者 2nd Mov.: Der Einsame im Herbst 第三楽章:…