近況アップデート

ホロヴィッツの意見では、モーツァルトは「喜怒哀楽の幅広い感情をもつ、感じやすい、現世的な人間」であり、「真にロマンティックな作曲家」だとのことですが、ホロヴィッツのようなヴィルトゥオーゾ(超絶技巧家)の世代はそうではなかったのかもしれませんが、その後、バロックならバロック、古典派なら古典派という枠組みを守って解釈し演奏するのが当然だということになりました。だから、普通、モーツァルトを「ロマンティック」に解釈するというようなことは通りません。けれどもホロヴィッツは超大物なのでそれで通してしまったということなのでしょう。そういう意味でいえば、彼の演奏するスカルラッティCBSソニー)は超名演ということになっていますが、現在であったなら、そもそも現代ピアノで演奏しているという時点で許されないでしょう。もちろん、エンリコ・ピエラヌンツィのようなジャズの人が「自由」な解釈をするというようなことはあるでしょうが。