近況アップデート

木川田君が未来を得るために頑張ったとかいっても、実際には作者である橋本治がそのように書いたというだけのことです。最初橋本治には、木川田君の話に多くのページを費やすつもりはありませんでした。自分でいっているように、木川田君のようなタイプの人には未来がないと考えていたからです。だから木川田君は傍観的な脇役、道化役に留まる予定でした。けれども長く書くうちに木川田君の存在が大きくなってしまいました。それで作者として彼のためにハッピー・エンドを用意するために相当苦労したということでしょう。私自身は小説を書きませんので、小説家、作家の生理や心理はよく分かりませんが、書き進めるうちにもともとの構想なり予定などが変わってしまうということはよくあるのではないでしょうか。漫画でもそういうことはあります。一例だけ挙げますと、『エロイカより愛を込めて』などです。