近況アップデート

映画『マーラー』を観て私が考えるのは、明るさは滅びの姿であり暗いうちは滅びないという『右大臣実朝』です。死を異常に恐怖しているマーラーは実際には死にませんでした。けれども死の恐怖から解放されて明るく晴れやかに元気になるとすぐに死んでしまいます。なるほど心臓発作だったのですから、それはただの偶然であり、それ以上のどんな意味もあり得ないと考えるべきかもしれません。発作はいつ起きても不思議ではなかったのです。マーラーが明るくなったから滅びてしまった、というわけではありません。けれども、平凡な物言いになってしまいますが、運命の皮肉を感じます。