文学

東浩紀の小説

クォンタム・ファミリーズ作者: 東浩紀出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/12/18メディア: 単行本購入: 61人 クリック: 1,937回この商品を含むブログ (198件) を見るまだ最初のほうを読んだだけだが、かなり衝撃を受けている。

ファウスト

以下引用。「なんてことだ。哲学をやった、法学も医学もやった。おまけに神学なんぞも究めようとした。しゃかりきになってやってきた。ところがどうだ。いぜんとしてこのとおりの哀れなバカときている。ちっとも利口になっちゃあいない。おもえば修士だの博…

たかがバロウズ本。

たかがバロウズ本。作者: 山形浩生出版社/メーカー: 大村書店発売日: 2003/02/15メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 118回この商品を含むブログ (39件) を見る

ローレンス

D.H.ローレンスはその短編『てんとう虫』において、第一次世界大戦がヨーロッパに残した深い傷跡を抉っている。この短編において、重要なのは、白/黒という対である。前者は崩壊した「古き良きヨーロッパ」の人間であり、死、滅亡の側にいる。主人公の夫は、…

人気ナンバーワンの…

ジャズに舞い戻ってさがゆきさんの『イッツ・ソー・ピースフル』を聴く。坂口安吾と芥川龍之介の短編、寓話に近いものを続けて読んだが、安吾が徹底してナンセンスなのに対し、芥川は道徳的な教訓(オチ)を付け加える。考えると『蜘蛛の糸』とかもそうだ。…

○○以降…

「アウシュヴィッツ以降、詩を書くことは野蛮だ」というアドルノ*1の言葉がある。同様に、「3.11以降、学問をすることは無力だ」というような学者らの言葉もある。 それで私が想起するのは大逆事件以降の永井荷風の態度である。荷風にとって、或る意味、「大…

町田康『告白』の主人公は

自分に似ていると思う。 が、私は大量殺人はしない(できない)と思うが。告白 (中公文庫)作者: 町田康出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/02/01メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 184回この商品を含むブログ (138件) を見る

町田康『告白』冒頭より

人間というものは不可思議なもので大事に慈しんで育てればよいかというと必ずしもそうではなく、「かしこいな。かしこいな」とちやほやすると、あほのくせに自分はかしこいと思い込む自信満々のあほとなって世間に迷惑を及ぼす。 ところが、「あほぼけかす」…

中原昌也『事態は悪化する』からの抜粋

中原昌也『事態は悪化する』からの抜粋(中原昌也『ニートピア2010』文藝春秋、p273-4)。 人々が自分を死ぬ程疲労するように望んでいる。その疲労させるような出来事の詳細を、鮮やかに見事な筆致によって描き出すべく精進しようと心がける。 記述すること…

中原昌也『ブン殴って犯すぞ!』からの抜粋

中原昌也『ブン殴って犯すぞ!』からの抜粋(中原昌也『ニートピア2010』文藝春秋、p46-47)。 とはいえ罵ることで、ストレスが発散されるようなことはない。寧ろ、余計にストレスが増すだけだ。本当であれば、もっと相手が聞いてよいコミュニケーションに発…

小林秀雄『一ツの脳髄』

小林秀雄『Xへの手紙・私小説論』(新潮文庫)、p9。 腫物が脳に出来る病気があるそうだ。自分のにもそんなものが何処かに出来かかっているのではないかしら──。痛いのはいいとして頭の中が痒くなっては堪らないと思った。 Xへの手紙・私小説論 (新潮文庫)作…

小林秀雄『Xへの手紙』

以下は小林秀雄『Xへの手紙』からの抜粋(小林秀雄『Xへの手紙・私小説論』新潮文庫p63-64)。小林秀雄の知的源泉はベルクソン、アラン、ヴァレリーにあるといわれるが、このような「死」の感覚が彼らにあるだろうか。実に奇妙な文章だと思う。 ただ明瞭なも…

小林秀雄『Xへの手紙』

或る苦労人に言わせると、「光陰矢の如し」という諺が、凡そ人間の発明した諺のうちで、一番いい出来だそうである。成る程何はともあれこの諺は極めて悲劇的である。悲劇的なものは、何はともあれ教訓的なのだろうと俺は思う。この諺は俺にはまだ少々見事す…

笙野頼子『レストレス・ドリーム』

毎日夢を見る。色の付いた夢。五感を刺激し続ける、まるで現実のような、ひどい悪夢。いつの間にかその悪夢の中に紛れ込んでしまい、気が付くと逃れようとしてももう逃れられない。夢はどんどん私の生活を侵食し続け、今ではそれに支配されて暮らしている。…

代々木公園文芸部の同人誌『ヨヨミ』創刊号を読む。

nakachiyamiさんの小説面白かった。

ホムペ更新

文学者攝津正 http://www.geocities.jp/tadashisettsuliterature/無能の人(2011年1月7日(金))船橋市北図書館からいろいろ本を借りてきたのはいいが、集中力が持続せず、読めない。のみならず書けない。虚構も実録も、何も書けない。そのまま数日が経過し…

そろそろ虚しくなってきた。

廃人=廃神としてYoutube12連投したが、流石に自分で自分が虚しくなってきた、なうwww まー当然だろうなあ。 大澤信亮の『神的批評』読んで自分が文学とも批評とも無縁だと思った。彼ほど高密度の思考/執筆は出来ぬ。私はだらしがない。怠惰である。惰眠を貪…

芥川龍之介『侏儒の言葉』を読む。

よく言われるように、芥川の箴言はニーチェに遠く及ばぬと思う。ということは、芥川は「哲学者」ではなかったということだ。だが、それは別に彼の不名誉にはならぬ。 『西方の人』のイエス・キリスト把握もニーチェと比べると天地ほど違う。芥川のはぬるいの…

斜め読み

梶井基次郎、中島敦、芥川龍之介を斜め読み。今日は集中力が持続せぬ。読むにも書くにも弾くにも不自由する。

ホムペ更新

文学者攝津正 http://www.geocities.jp/tadashisettsuliterature/101221/2100.html21:00-21:25.ジャズが聴こえる。マイルス。『ライヴ・イヴル』だ。キースがエレピで参加してるやつ。あの頃の音はどれもいい。あの頃、あの時代に憧れる。今はもう、失われて…

ホムペ更新

文学者攝津正 http://www.geocities.jp/tadashisettsuliterature/三流物書き志望者の悲哀(2010/12/10(金))私は三流物書き志望者である。子供の頃から物書きになりたいと思っていた。特にSF作家になりたかった。物語を紡ぎたかったのである。しかし、思春期…

「救い」は個人的なことかもしれないが…

「救い」は個人的なことかもしれないが、かつてウーマンリブなりフェミニズムの人らは、個人的なことが政治的なことだと主張したのではなかったか? それはまあ、いいのだが、今私がしたいのは「魂のこと」の話である。 私が「魂のこと」を考え始めたのは、…

禅ヒッピー

ビート・ジェネレーション(http://bit.ly/fUqY1h)の代表的な作家であるジャック・ケルアックの小説が、『禅ヒッピー』という邦題で出版されたことがある。実際、よりアナーキーなウィリアム・バロウズを除くビートニクはみんな、仏教、特に禅に惹かれてい…

ノーベル文学賞

バルガス・リョサだった。村上春樹残念! http://bit.ly/bE7Elt

小林秀雄はほとんど読んでいない。

小林秀雄→吉本隆明→柄谷行人と続く批評の系譜があると言われているが、私は吉本隆明から読み始めたので、小林秀雄には何故か反撥・反感を感じてまともに読んだことがない。なので今回、小林秀雄に入門してみようと思った次第。 吉本隆明も読み直さないと。

ルソー / 告白

昨晩寝る時に、ルソーの『告白』を読んでいたが、意外に面白かった。告白 上 (岩波文庫 青 622-8)作者: ジャン・ジャック・ルソー,桑原武夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1965/03/16メディア: 文庫 クリック: 16回この商品を含むブログ (18件) を見る

大澤信亮くんのサイト

http://www3.ocn.ne.jp/~camp/ 充実しているよね。

昨日書き忘れたが

大澤信亮くん(id:nobuakiohsawa)もすごいねえ。『新潮』に書いてるらしいが、俺雑誌読まない人なんで。だけど彼の文章、難しいよ。俺には分からない。杉田くんも難しいけどね。俺に思想の教養ないってこと? 大澤くんのサイトも覗いたことがあったが、わか…

全てを読む

妥協なく全てを読まねばならぬという思いと、それは不可能だという気持ちが両方ある。 現実には能力も時間も有限。とすれば、偏向を肯定せねばならぬ。 選択が必要。組み替えが必要。 認識枠組みの組み替え。

対決は無理っぽ

西洋哲学及び日本近代文学の総体と対決しようと思っていたが、一倉庫内作業員には無理と悟った。相手がデカ過ぎる。林芙美子の『放浪記』(新潮文庫)、倉数茂(id:kurageru)さんの勧めに従い図書館で借りてきたが基本的に好きな文章ではない、と思う。その…