芥川龍之介『侏儒の言葉』を読む。

よく言われるように、芥川の箴言ニーチェに遠く及ばぬと思う。ということは、芥川は「哲学者」ではなかったということだ。だが、それは別に彼の不名誉にはならぬ。
西方の人』のイエス・キリスト把握もニーチェと比べると天地ほど違う。芥川のはぬるいのである。
実際に発狂したニーチェと、発狂を恐れて自殺した芥川龍之介の違い、ということだろうか。