笙野頼子『レストレス・ドリーム』

毎日夢を見る。色の付いた夢。五感を刺激し続ける、まるで現実のような、ひどい悪夢。いつの間にかその悪夢の中に紛れ込んでしまい、気が付くと逃れようとしてももう逃れられない。夢はどんどん私の生活を侵食し続け、今ではそれに支配されて暮らしている。現実世界の出来事も記憶も殆ど消え果てている。

書き出し部分(p6)であるが、夢の雰囲気をよく伝えていると思う。