哲学
古代哲学、特にヘレニズム期の哲学を規定する二大流派は、独断論と懐疑論である。ストア派もエピクロス派も独断論に入る。古代哲学の文脈では、独断論とは何らかの真理が知り得るとする立場であり、懐疑論とはそれを疑う(判断停止する)立場である。 昨日の…
パレーシアストとは、極端に言えば、本当のことを言ったことによって死ぬことを受け入れる者のことです。より正確に言うなら、パレーシアストとは、自分自身の死までもたらしうる、ある未定の代価と引き替えに本当のことを語ろうとする者のことなのです。ま…
つい先日、COP10があったばかりだが、地球上から失われていく、絶滅する生物種が物凄い数ある。ダーウィニズム、進化論などを語るとすれば、絶滅のほうが通例で、適応、生存が例外なのだとも思える。 音楽など文化領域でも、絶滅が通例で、生存が例外なのだ…
芸術作品は商品ではない。文学言語はコミュニケーション手段ではない。何故、こうも自明なことが理解されぬのであろうか。 芸術作品の価値を決定するのはその売上でもなければ、社会的現実の反映の度合いによるのでもない。芸術作品の価値はその価格ではない…
これも読みたい。モーゼス・ヘスと初期マルクス (1972年)作者: 武井勇四郎,W.メンケ出版社/メーカー: 未来社発売日: 1972メディア: ? クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る
モーゼス・ヘス http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%98%E3%82%B9 良知力 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%AF%E7%9F%A5%E5%8A%9B モーゼス・ヘスと観念弁証法の諸問題 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3…
大学(大学院)を放逐されたわたしは、自宅にひきこもって、船橋市図書館通いを続けて、一人で本を読みながら考えるよりほかない。大学に残れる(残れた)人は大学でやればいいと思う。だが、わたしは残れなかった。だから、このブログがわたしの戦場だ。こ…
ジャン・ユスターシュは元気になって自殺したのにちがいありません。あんなに元気だったのにと、まわりの人たちは理解できない。実際、そこには認めることのできない何かがあるのです。自殺ほど美しく、従ってこれほど注意深い考察に値する行為はないと人々…
自己と他者の統治 コレージュ・ド・フランス講義1982-1983 ミシェル・フーコー講義集成XII作者: ミシェル・フーコー,阿部崇出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/04/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (14件) を見る『言葉…
『資本論』第一巻は「価値」の釈義であり、ニーチェのすべては、ギリシャ語の数語の釈義であり、フロイトは、われわれの見かけの言説、われわれの幻覚、われわれの夢、われわれの身体を同時にささえかつ穿つ、あらゆるあの無言の文の釈義である。 言葉と物―…
ところで、私はあくまで前進しようとした。私が勝利に確信をもっているのでもなければ、武器に自信があるからでもない。そうではなくて、それが今のところ不可欠なものと思われたからである。つまり、思考史をその超越性の隷属から解放することである。問題…
ミシェル・フーコー思考集成〈9〉自己・統治性・快楽作者: ミシェルフーコー,小林康夫,松浦寿輝,石田英敬,西永良成,蓮實重彦,渡辺守章出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2001/11メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (5件) を見る
中山元さんという在野の哲学者の方がおられるんですが、彼が『賢者と羊飼い フーコーとパレーシア』という分厚い研究書を出しています。 晩年のフーコーの『性の歴史』を解説した本なんですが、もともと『性の歴史』は、古代から中世、近世、近代までずっと…
言葉と物―人文科学の考古学作者: ミシェル・フーコー,Michel Foucault,渡辺一民,佐々木明出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1974/06/07メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 55回この商品を含むブログ (178件) を見るミシェル・フーコーの『言葉と物』(新潮社…
デリダ―きたるべき痕跡の記憶 (哲学の現代を読む 3)作者: 廣瀬浩司出版社/メーカー: 白水社発売日: 2006/12/01メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (8件) を見る
フーコー (「現代思想の冒険者たち」Select)作者: 桜井哲夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/06/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 34回この商品を含むブログ (34件) を見る
フーコーをまともに読み返さないといけないな、と思う。『言葉と物』にせよ、私は貧乏故持っておらず、図書館で読んだだけだ。なので、直近のエントリーの内容も薄いものとなっている。フーコーを集中的に読み返し、認識欠落を埋めねばならないと思う。
一般に、ミシェル・フーコーの『言葉と物』は、現象学的眼差しを断ち切ること、知の考古学の実践と看做されている。しかし、田崎英明の『無能な者たちの共同体』によると、『言葉と物』には『知の考古学』では消える「経験」というメルロ=ポンティ的語彙が…
ミシェル・フーコーが最後に追及しようとしたのが、キリスト教の「牧人権力」で、その姿勢はニーチェにも通じる。 簡単にいえば、信徒は司祭・牧師等に性や内面等を「告白」する→司祭・牧師等は全ての信徒(羊)に配慮し、彼らが救われるようにする。という…
晩年のミシェル・フーコーは性を通して、さらにいえば自己の真理を語ること(パレーシア)を通じていかに、主体が構築されるかの研究に腐心していた。彼はキリスト教を「告白する宗教」と呼び、フロイトの精神分析学にその末裔を見た。『性の歴史』第一巻で…
ドゥルーズは「コミュニケーション」概念自体を反動的なものと看做していたのに、彼らの議論では、労働の変容が深くコミュニケーション的、パフォーマンス的だとされる点。昨日のエントリーで述べたように、私は労働が「知的」に変容したという議論に深く疑…
千坂恭二さん(http://profile.ameba.jp/abenteuerliche-herz/)は「ファシスト」だが、私はファシストでも大東亜戦争・八紘一宇肯定(革命戦争と解釈する)でもないのだが、彼の哲学的発言は鋭いと感じる。フランスで哲学といえるのはデカルトとベルクソン…
カール・マルクスが完成した自己の著作『資本論』第一巻を『種の起源』を書いた生物学者のチャールズ・ダーウィンに捧げようとして拒絶(辞退)されたという逸話は有名である。 反マルクス主義的なリベラル達は、ダーウィンがマルクスの主張を真正な科学と認…
先程のエントリーで宗教について語ったが、近代芸術は神なき時代の宗教のようなものではないか、と考えてみる。どこかで聞いたような科白だが、それはまあ措いておいて。 以前、私は神秘体験を語った。神なき神秘体験、語義矛盾だ。私はそれを、唯物論的な神…
哲学書が山と積まれているが、読む気にならない。中村昇『ウィトゲンシュタイン』を読み掛けたが、駄目だった。そういう状態がしばらく続いている。読み、書く以外能の無い私にとっては危機的な状況である。 とか言いつつ、話を変えて宗教を語ってみようと思…
ランシエール―新〈音楽の哲学〉 (哲学の現代を読む 5)作者: 市田良彦出版社/メーカー: 白水社発売日: 2007/08/08メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (20件) を見る全然分かりません。
カント『判断力批判』 ヘーゲル『美学講義』 ハイデガー『芸術作品の根源』 判断力批判 上 (岩波文庫 青 625-7)作者: カント,篠田英雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1964/01/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 33回この商品を含むブログ (42件) を見…
いーぐる掲示板への投稿を転載して、自分の問題意識が複数の問題系を貫いて同一であることに気付いた。「合意形成とその困難」がそれだ。ジャズにおける美的判断、クィア問題、死刑制度の是非、いずれも対象もレヴェルも異なるが、複数の主観の間での合意形…
賢者と羊飼い―フーコーとパレーシア作者: 中山元出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/02メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件) を見る上記二冊は併読すべきものである。後者は、前者の「自己の技法」の詳しく、面白い注釈であり敷衍…
ミシェル・フーコー思考集成〈10〉倫理・道徳・啓蒙作者: ミシェルフーコー,小林康夫,松浦寿輝,石田英敬,蓮實重彦,渡辺守章出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2002/03/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (13件) を見る