2012-06-28から1日間の記事一覧

地域通貨について

(4)に関連して、十年以上前柄谷さんがイギリスの哲学者のことを書いていたのを思い出した。その哲学者は自分の哲学を地域通貨で売り、労働者に部屋の掃除をして貰ったそうだが、彼は自分の抽象的な思考・言説が具体的なモノ・サーヴィスと交換されたこと…

思想史メモ その3

(4)ただ問題は、その後の歴史の展開で、元々のインドにおいては仏教が消滅したことである。それは中国、日本などで受け継がれたが、釈迦の考え方とは違っていた可能性が大きい。中国人は輪廻転生というアイディアに、何度も何度も繰り返し生きることができる…

思想史メモ その2

(3)ヒンズー教を批判する仏教(釈迦=仏陀)、ユダヤ教を批判するキリスト教(イエス・キリスト)、古代ギリシャ(アテナイ)の伝統的な社会を揺るがすソフィストとソクラテス。釈迦(仏陀)が持ち込むラディカリズムは、伝統的なヒンズー教が想定するカース…

思想史メモ その1

(1)思想(thought or idea)一般と哲学(philosophy)の違いの劃定。ショーペンハウアー、ヤスパースなどが漠然と考えたのとは異なり、ヘーゲル、ハイデガー、ドゥルーズなどがいうように、哲学の思考はそれ以外の思考一般とは異なり、古代ギリシャの都市国家か…

『吉本隆明全集撰3(政治思想)』(大和書房)を読む

「第二の疑問は、中野文を信用するならば、佐野、鍋山が、「日本思想史」や「仏教史」について何ほどの知識も見解もなくて、共産主義運動の指導者だったのか、といういくらかみじめなものとしてやってくる。『大乗起信論』(にかぎらず)ひとつ手にしたこと…