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私も史実といいますか、技術的条件を重視したほうがいいように思います。何か深刻な精神的、「実存的」な変容だと看做したものが、実は、録音技術の未発達の結果でしかなかった、という平凡な現実は、如何にもありそうなことですよね。

林さんの御投稿がありましたが、私自身はピアノの問題にずっと興味があり、それも、スウィングとかさらにそれ以前です。具体的に申し上げると、特に1920-1930年代のアール・ハインズ、さらに彼以前のジェイムズ・P・ジョンソン、ジェリー・ロール・モートン、ウィリー・ザ・ライオン・スミスなどです。ただ、それには林さんも言及されているように、一定の資金が必要ですよね。

私が今更申し上げるまでもなく、ピアノというのはジャズで用いられる楽器のなかでも特にヨーロッパ的、クラシック的な性格が強い楽器だと思うのですよ。クラシック(バロック、古典派、ロマン派)でも膨大なピアノ曲が書かれていますしね。そういうピアノがジャズにどういうふうに導入されたのかに興味がありますし、ジャズ以外のポピュラー音楽では、キーボードがちょっと使われることがあっても、ピアノが前面に出ることはないのではないでしょうかね。

miyaさんがゴッホなどを引き合いに出しておっしゃりたかったことを私なりに理解、推察してみますと、作品そのもの、事象そのものとの出会いが大事だというようなことなのでしょうが、私もそう思いますが、私自身の考え方は根本的に「歴史的」であり、概念的、理念的です。