補足

読書人の多くはそう思わないが、「戦争機械」によって「国家装置」を攻撃し解体するというドゥルーズ=ガタリの『千のプラトー』のほうが9条よりも遥かに現実的だが、問題は近代世界には国家から自立した「軍」などないということで(サパティスタは例外かもしれない)、結果、そういう構想を実行、実現しようとすれば、クーデターとかクーデター未遂、国家の自壊・自滅などになるしかない。『千のプラトー』の「遊牧民ノマド)」に期待した知識人・活動家が大量にいるが、『アンチ・オイディプス』の「分裂者(スキゾ)」同様の恣意的な空想でしかないということに、どうしてすぐに気付かないのだろうか。錯覚しているのは素人だけではなく、中東世界やイスラーム思想の専門研究者さえもそうである。