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18世紀フランスの哲学者や思想家はどうでしょうか。多様な人がいるので一概にはいえませんが、もしその人の思想の合理性が当時の経験科学に依拠するものであったならば、経験科学は時代とともに進歩するものなので、その点は修正されなければならないでしょう。例えばヴォルテールは、自然科学(物理学)についてはニュートンを参照し、認識論についてはジョン・ロックを参照することによってデカルトよりも先に進めると考えました(念のためにいえば、ロック自身が、自分はニュートンが物体についてやったようなことを心についてやるのだ、というような抱負を『人間知性論』で述べています)。ディドロには独自の考えがあったそうですが、私の知識は十分でないので、田口さんの本を読まなければなりません。富永厚先生の講義によれば、ルソーは基本的にデカルト主義者(カルテジアン)であった(だから、当時においては「反時代的」であった)そうですが、普通に読めばデカルトの思想からルソーが膨大に書いているようなアイディアが導かれることはあり得ないと思います。その意味で合理的であるとかないとかいう以前の問題だと思います。