NAMとその責任問題

共産主義者団体NAMの創設、活動、崩壊について、柄谷行人一人に責任を負わせるのは間違っているだろう。といって、NAM会員全員「手が汚れている」などと鎌田哲哉のように糾弾するのも間違っているだろう。
原点に帰って、共産主義がどうしてうまくいかないのかを考えるべきなのだ。社会設計思想としてどうして、うまくいかないのか。
20世紀はマルクス主義国家の時代だった。ソ連崩壊以降、マルクス主義なり共産主義を国家権力奪取から切り離して考える必要が生じた。マルクスユートピア社会主義者に立ち返って考える必要が生じたのである。
我々はまだ途上にある。そして未完成である。NAM経験は、運動なり共産主義、左翼がうまくいかないという躓き、挫折の経験であり、それも一つの経験として主体を豊富化する。失敗の経験を糧にまた、やり直せばいいだけのことである。