ルーファス
《ルーファス》、というのは、アメリカの黒人で同性愛者の作家、ジェイムズ・ボールドウィンの『もうひとつの国』という長篇小説の主人公だが、私が彼のことをずっと考えていたのは、端的に日比谷公園が寒かったからだった。季節はもう秋である。軽装でやって来ていた私には秋風が冷たかったのである。
私は『もうひとつの国』、『ジョヴァンニの部屋』くらいは読んでいるが、『もうひとつの国』の構成や内容はいまいち詳しく想い出せない。私は、中上健次『破壊せよ、とアイラーは言った』(集英社文庫)で死んだルーファスが呼び掛けられている、ということを特に憶えていたのだった。そして、それはただそれだけの話である。
- 作者: ボールドウィン,野崎孝
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1977/08/30
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
- 作者: ジェームズ・ボールドウィン,大橋吉之輔
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1984/07/01
- メディア: 新書
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 作者: 中上健次
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1979/08
- メディア: ?
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (6件) を見る