アリストテレス『命題論』から

《そして私の言おうとしているのはこのようなことである、例えば「海戦は明日あるあろうか、あるいはあらぬだろうかである」ということは必然である、けれども「海戦が明日行なわれる」ということも、また「行なわれない」ということも必然でない。けれども「行なわれるか、行われないかである」ということは必然である。従って、言論が真であるのは、それが事物と同様である時においてであるから、偶然によってあるものであって、反対なものを受け入れるようなことになる事物に関しては、この矛盾対立命題も事物と同様であるのが必然であるということは明らかである。そしてちょうどこのことは常にあるのではないものども、あるいは常にあらぬのではないものどもにおいて起こるのである。》(アリストテレス『命題論』山本光雄訳)