近況アップデート

ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ、「ヴラディミール」という表記もあります)『ホロヴィッツ・ピアノ・リサイタル CAMI VIDEO〈ホロヴィッツ──最後のロマンティスト〉から』を聴いています。録音は1985年4月 ニューヨークとなっていますから、相当晩年のものであることは間違いありません。良い演奏だと思います。モーツァルトのピアノ・ソナタ 第10番 ハ長調 K.330 (300h)は晩年によく演奏していたのですね。1986年のモスクワでの里帰りライヴでも弾いていたと思います。バッハ〜ブゾーニ編のコラール前奏曲《いざ来たれ、異教徒の救い主よ》も好きだったのでしょう。ホロヴィッツには繰り返し演奏していた愛奏曲がありました。

ホロヴィッツ・ピアノ・リサイタル

ホロヴィッツ・ピアノ・リサイタル

CBSソニーホロヴィッツ演奏の「熱情」「ワルトシュタイン」のカップリングのライナーノーツにはホロヴィッツの年譜があります。それを読みますと、ホロヴィッツは生涯に数度、隠退していますが、最初の隠退は1936年です。「病いのためスイスで静養」とありますが、病いというのは神経衰弱です。そのような伝記的な事柄を知らなくても、ホロヴィッツの演奏を聴けば相当に神経質な人だというのはすぐに分かります。ルービンシュタインとは全く違います。それと働き過ぎ、過労もあったでしょう。1935年頃には年間約100回近く演奏会を開いていたそうですが、それは明らかにやり過ぎでしょう。倒れてしまっても無理はありません。