近況アップデート

段々薄れていき、ぼんやりしたものになってしまっていますが、それでも、十年前の記憶を自分なりに辿ってみますと、蛭田さんの頑張りというのは大変なものだったと思います。彼は我々を引き連れて東北にまで遠征し、東北の農家の人々をQに勧誘するというようなことまでやりました。彼は柄谷さんの熱心な読者だったのですから、確かに知識的な人ではあったのでしょうが(ひとついえば、彼は中国と関わりがあり、中国語が非常によくできて、通訳などもやっていました)、ややこしい議論に興じるよりは具体的に行動して成果を出したいというタイプでした。それから、彼は自分の金で早稲田に物件を購入し、「Cafe S」を開こうとしました。「Cafe S」とははっきりいえば、地域通貨Qのショップです。彼は金も時間も膨大に使いました。ところが、福井さんのような人から、早稲田の「Cafe S」は不気味なムラだなどと言われてしまいました。西部さんもその福井さんの意見に賛成したからそれをlets_think MLに転送したのでしょう。私が腹を立てるのはそういうことです。なるほど西部さんや宮地さんからすれば、蛭田さんや我々があれこれやってみたというようなことは、君達が勝手にやったことで自分達には関係ない、とかいうことになってしまうのでしょう。けれどもQのウェッブサイトさえ開いていれば自然に、自動的に地域通貨の会員が増えていくというようなものではないと思います。やはりリアルな現場、具体的な地域で行動しなければ何も変わらなかったのではないでしょうか。最終的に無駄、無効であったとしても、それはもう個人の意志や努力を超えてしまっているのですから、致し方がないと思います。