生涯一NAM会員

生涯一NAM会員。とTwitterで呟いたら、2ちゃんねるで嗤われた。それはそうだろう、もう10年も前に崩壊した運動なんだから。
知らない人のために簡単に解説しておくと、NAMとは2000年前後柄谷行人が始めた共産主義者運動で、協同組合主義で且つ地域通貨にも取り組んだ。しかし、内部抗争のため瓦解。
NAMの特徴はその非暴力性、合法性にある。と書くと、左翼から、「非暴力=合法ではない」とツッコミが入るのはよく分かっている。それは確かにそうだ。しかしNAMの場合は完全に非暴力的且つ合法だったのだ。
例えば、問題がある企業の商品を「買わない」。このことは何の罪にも問われないし、誰でもできるし、命を危険に晒すような行為でもないでしょう。地域通貨でモノ・サービスを取引することも同様。
68年以降過激化、暴力化の道を突き進んだ左翼運動への反措定としてNAMはあった。私は、その精神を継承する。
自分には過激な運動は似合わない、せいぜい共産主義者かリベラルだ、と言ったら、マイミクシィフェビアン主義を勧めてくれた。NAMもフェビアン主義から分かれたG・D・H・コールという人の協同組合的社会主義に近い。最近、『贈与論』の民族学者マルセル・モースも協同組合的社会主義者(反ボルシェヴィキ)であったと知った。
問題はそのような考えが、プルードン以来ずっとあるのに、現実を変革する力たり得ていないのはどうしてかということだろう。

贈与論 (ちくま学芸文庫)

贈与論 (ちくま学芸文庫)