三宅榛名
その高橋悠治とデュオアルバムを出している三宅榛名は、キース・ジャレットのことをニセモノと罵倒していますが、それでもジャズには理解があるほうでしょう。彼女の著書での山下洋輔批判は、或る程度は内在的なものだったと思うから。しかし、キース・ジャレットって国際批評家投票で10年連続ピアニスト部門一位なんですが、「ニセモノ」が10年連続一位になるジャズの世界って(笑)。
私が詰まらぬことを思うには、アドルノ、ジョン・ケージ、高橋悠治、三宅榛名らに欠けていると思えるのは、ジャズならジャズの快楽をただ享楽する、という姿勢だと思いますが。私にもそういう傾向があるので自戒を込めて言うのですが、音楽の問題を思想的問題にすり替えてしまうというか。音楽の恵み、快楽をただひたすら享受する、全身一杯に浴びる、という姿勢もあって良いように思うのです。
- 作者: 三宅榛名
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 1984/09
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