病院の待合室で、ゴルゴ13。

最近読んで面白かったのは、いろいろな病院へ行って、待合室で読む漫画。ゴルゴ13が多いのだが、それが面白い。
ゴルゴ13さいとう・たかをhttp://www.saito-pro.co.jp/)名義になっているが、完全に分業制になっていて、シナリオは外注だし、もう随分昔からさいとう・たかを本人はペン入れもしていないのだという。そうなると、ゴルゴ13の「作者」とは? という問いが、別に深遠で理論的な問題としてでなく、実際的な問題として出てくるわけだが、漫画の状況は映画のそれに似ていると思う。映画も、黒澤明の映画にせよ、黒澤一人の作家性で成り立つわけでは絶対なく、多数の協力者あって初めて成り立つものである。その点が、絵画や小説とは全く異なる。

ところで、題名は失念したが、佐々木病院で読んだゴルゴ13に同性愛が出てきて、だからどうだというわけではないのだが、何だか面白かった。暗殺すべきボスの情夫が「クイーン」という渾名だというのである。まあ、凡庸な表象ではあるが、ゴルゴ13に男性同性愛が出てきたのには驚いた。初期には、半陰陽やレズビアニズムが主題のものはあったけれども。