庶民・攝津正

吉本隆明の『貧困と思想』を読んで、吉本さん、ボケていないな、まだ十分鋭いよと思ったのだが、それで、吉本が「庶民・吉本隆明」として自己規定しているみたいな話が出てきて、実際そういう視点の吉本論もあるのだが、そういうならば自分も「庶民・攝津正」じゃないかな、と思った。
高級芸術に定位した高踏理論ではなく、身の丈にあったものを論じていけばいいんじゃないかと。例えばゴルゴ13とかパタリロ!とか。
勿論階級的には、庶民以外の何者でもないのだけれど(ルンペン・プロレタリア)。そこから無理に知的に上昇しようとして神経症が悪化する、というのは吉本の芥川龍之介論の根本テーマだったように思う。

貧困と思想

貧困と思想