英語で書かれた初の同性愛擁護論

ベンサムという名の男』で知ったのですが、英語で書かれた初の同性愛擁護論はベンサムのものだったとのことです。当時のイギリスは、今のイランやかつてのタリバーン政権のアフガニスタンと同じような、同性愛は絞首刑か晒し刑──といっても、女達が先頭に立って石だの物を投げつけるので、顎は砕け頭は割れ眼は潰れ、結局嬲り殺しになる──にされるという状況でした。イギリスも野蛮であったのです。有名な保守主義者の議員が、晒し刑をやめるよう議会で提言したら、当のその議員が同性愛ではないかと疑われたり。ベンサムの原稿も生前は公開されず、死後もなかなか存在が認められませんでした。
ベンサムは功利の原理から同性愛を擁護しました。つまり、他者を害さない快感の追求が死刑にされるほどの罰を与えられるべきではない、と考えたのです。穏当で妥当な判断だと思います。