死を考える
死ぬという出来事が存在するというのは、「頑固な事実」(ホワイトヘッド)である。人間であれば誰も、他者や自分の死という現実を無視し得ない。ハイデガーは『存在と時間』で死に対する覚悟性のようなことを述べた。ジャンケレヴィッチは『死』という大著を出している。
キリスト教徒にとっては、死後の生(魂の不死)があるかどうかは大きな問題であろうが、私はキリスト教徒ではないので、そのような問題には興味がない。私がいつか死ぬということ、死後私がどうなるかは全く分からぬこと、これだけが確実である。私は自殺するつもりはないが、不慮の事故などでいつ死ぬか分からぬ。死は準備して執り行うことができる儀式ではない。それは突然やってくる。死は外的で暴力的なものである。
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