日本語で歌う冬の旅。なぜこんなに暗いの?

「日本語で歌う冬の旅。なぜこんなに暗いの?」というのは、斎藤晴彦の歌。高橋悠治のピアノでの『冬の旅』の副題だが、先程それではなく菊地雅章ゲイリー・ピーコックポール・モチアンから成るテザード・ムーンの『シャンソン・ド・ピアフ』の冒頭「アコーディオン弾き」を入浴しながら聴いた。何度聴いてもこれは……。以前自分なりに思う最も悲しい音楽ベスト3というのを挙げて、ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲の15番、高橋悠治の『パーセル最後の曲集』、高橋悠治リアルタイム9『別れのために』、ビル・エヴァンスの『ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング』を挙げたが(ベスト3じゃなくてベスト4になってしまったが)、斎藤晴彦高橋悠治の『冬の旅』もこの上なく暗い。もともとのシューベルトが暗いということなのだが、それから菊地雅章のこのピアノもあまりにも個性的な輝きを放っている。『スラッシュ・トリオ』第一集冒頭の曲と並ぶ超名演だ。それらは「最も悲しい」というカテゴリーというよりは、もうちょっと別の……UAの"sun"とか"la"と一緒に聴きたくなるようなアレなのですが。

さて寝よう。