巡礼の年

私自身が『巡礼の年』を初めて聴いたのは中学生の頃で、そのなかのどの曲だか忘れたが、ヴェネツィアだったか……。その頃ちょうどピアニストのホロヴィッツが亡くなって、追悼盤として1965年から68年に掛けてのカーネギー・ホールでのライヴからのセレクションが出たのである。それで聴いたのが最初である。その後あれこれ音楽を聴くようになって、リストは後期・晩年のピアノ曲が面白いこと、宗教的な背景もあることなどを知った。『巡礼の年』は数年前にブレンデルの演奏するCDを手に入れたが、そういえばブレンデル盤もベルマンとの対比で少し作中に出てきていた。ベルマンの盤は持っていないが、いまのところ購入予定はない。私が先程書いたのは、いろいろな先入観や固定観念は外して考えるべきではないかというくらいのことである。