不運ただす城

桃太郎直木『不運ただす城』

【序】
真冬の寒風吹きすさぶなか、壊れ掛けた古い自転車に跨り、漕いで漕いで漕いで鎌ケ谷。松戸。人類数千年の歴史が生み出した最高ソング、尊師マーチを大声で歌いながら公道を。若者の特権!

えっ

自転車でお年寄りと接触しそうになると、お詫びのしるしとして「しょこしょこしょーこー」と一声掛ける。少し走ると自衛隊の松戸駐屯地。「愛を超える結婚があったッ!」と正確な論評を叫びながら通過。さらに行くと、知的障がい児と保護者の皆さん。「まずは頭を取れッ!」と独語。

千葉県立西部図書館に到着するが、不運なことに本日から25日まで休館日であった。止むを得ないので、抗議の意志を叩き付けながら図書ポストに本を投げ入れる。

鎌ケ谷市立図書館本館に直行。そうしてすぐ先の某タウン紙編集部に寄る。船橋市立北図書館へ。帰宅したら正午であった。

わたすは以前∞×∞×∞君が書いていた逸話を想い出していた。ゲイの精神科医がいて、彼の患者の中学生の少年がいて……。実にけしからん精神科医だが、その子たちを誘って山にキャンプに。セックスにアルコールにマリファナにという乱痴気パーティー。そうして徹夜して明け方。双子は酒の飲み過ぎでゲロを吐き、不埒な精神科医をタコ殴りにして足蹴。そうして陽が昇り、二人でオカマの歌を歌う。

うろ憶えだが、皮肉でも冗談でもなく、まさに人生はこれだ。そのことが骨身に沁みて腹の底からよく分かったら、みんなで満面の笑みで尊師マーチを朗唱し、「最高です!」と絶叫すべきである。

(続きも沢山あるが、一旦ここで送る。)