雑感

少々用事があったので津田沼まで行ってきた。道中イザヤ・ベンダサン『日本病について』、永井荷風『日和下駄』、寺田寅彦の日記などを読んだ。音楽はハンク・ジョーンズのグレート・ジャズ・トリオの『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』を聴いた。帰宅してラーメンを食べてから、『コールマン・ホーキンス・ウィズ・ザ・レッド・ガーランド・トリオ』を聴きながら午睡。奇妙な夢を見て目醒めて、電話一本掛けてからロイ・エルドリッチを掛ける。日本盤があるのかどうか存じ上げないが、"Decidedly"というものである。これからもう少ししたら二和向台駅前・二和公民館の隣りの市役所の支所まで行ってくる。だがその前に今読んで面白かったと感じたものを紹介しておく。村上春樹の文、安西水丸の絵による『村上朝日堂超短篇小説・夜のくもざる』(新潮文庫)であり、これは1995年に出ている。面白かったのは、108ページの「ずっと昔に国分寺にあったジャズ喫茶のための広告」、及び139ページ「構造主義」である。《ですから、とにかく、六本木のことは私には何も訊かないでください。それから構造主義についても何も訊かないでください。構造主義について、私があなたに教えられることは何もありません。》なるほどこういうものをアイロニーというか空とぼけというのかもしれないと思いながら、読みながら微笑した。