ポートレイト・オブ・キャノンボール

"Portrait of Cannonball: Julian Adderley Quintet"を聴く。『ポートレイト・オブ・キャノンボールキャノンボール・アダレイ・ウィズ・ビル・エヴァンス』である。ライナーノーツを見ると、1958年7月1日 NYC録音。パーソネルは、キャノンボール・アダレイ(as)のほか、ブルー・ミッチェル(tp)、ビル・エヴァンス(p)、サム・ジョーンズ(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)。実は、先程リブレ京成三咲店から帰ってきて、夕食を摂っている最中、疲労と頭痛のため少し寝込んでしまった。20分ほど前に目醒めて、軽くシャワーを浴びて着替え、冷房を切っていて汗ばんだので再び冷房の風を入れて涼んだ。どうも冷房病(?)なのか、頭痛と全身のだるさが。こういう些細なというか漠然とした不調の原因は捉えがたいものである。だから被曝によるぶらぶら病を自己診断してしまう人々も現れる。冷房病かもというのも僕の素人の推測でしかないわけである。まあ、どうでもいい話だが。と、いうことで、何を書こうと思っていたのか完全に忘れてしまったが、とりあえず今30分ほど寝ていたから、暫く音楽を鑑賞して午前零時過ぎくらいにゆっくり寝ようかということ。それから、先程ポスティングができなかったということ。……つまり、買い物を終えて母親に訊いてみたら、チラシを持ってきていなかったということだったからね。それから何かあったっけ。朝だったかに書いたように、何か本でもぱらぱらめくってみようと思ったんだったが、アリストテレスの『形而上学』の岩波文庫は下巻だった。上巻がないかと思って近所を探したが発見できなかったのでやめた。そうするといま手元に置いているのは、集英社文庫のアランの『幸福論』。これは白井健三郎という人の翻訳である。それから、中公バックス世界の名著45巻のショーペンハウアー。『意志と表象としての世界』だが、翻訳と責任編集は西尾幹二。対照的な2冊だが、ぼちぼち眺めるだけである。相変わらずひどく頭が痛いし……。こりゃ冷房で夏風邪かな。いやだいやだ。CDはほかに、Stan Getz / GerryMulligan / Harry Edison / Louis Bellson and the Oscar Peterson Trio "Jazz Giants '58"を出してきている。別のを聴くかも。それはそうと、今日の一日のハイライトは午前にH口氏の御友人のK田氏・S永氏からコメントをいただいて吉本隆明について長々と書いたということだったが、そういうことが気分が良く楽しいのかといえば全くそういうことはない。なぜならば、彼らとさえ意見が全く一致しないであろうからだ。僕はどういうことのためにも、世界をちょっと合理的にしていくという営みのためであっても、誰かと共闘することはなく、連帯することもなく、○○のために、ということはあり得ないからである。例えば、彼らは非合理な考え方であり、不要に晦渋な書き方だという理由で吉本が嫌いである。だが、僕は大好きである。それは基本的には言語表現の問題というか、言葉は意思疎通や伝達のためのものである、という発想を吉本が根本的に批判し斥けたところが本当に大好きなのである。人々は反論するであろう。そうはいっても、我々は社会に生きており、その限りでコミュニケーションは絶対に必要なのではないかと。僕も、そして誰だってそんなことは分かっている。問題はそれだけではないだろうということであり、僕は日常生活や会話、政治や経済・経営、社会科学・社会学などよりも文学であるとか、または思弁のほうが遥かに好きなのだという意味である。元々文学が大好きで、今も好きで、そしてそれだけである。それ以外のことは何も考えちゃいないのである。非政治的というか非社会的というか。そういう意味で、機能主義者、英米系のかつての(20世紀の)分析哲学傾向の人々や客観的、科学的な言語学の言語観だけでなく、例えば梅本克己のようなマルクス主義者の言語観、そして恐らく戦前からいろいろあったと思うが、そういうものを斥けることがかつて大事だったし、今も大事だと思うのである。つまり、梅本によれば、言語とは根本的にコミュニケーションのためのものであり、そこから撤退した言語は一見「詩的」な独特な価値を持つかに見える。だが、それは腐敗し堕落したものである、というのだが、H口氏・K田氏・S永氏ら常識的な合理主義者たちの見解もほぼ同じではないのだろうか? それはそれで、日常生活や政策決定や何やらかにやらのためには必要だから別に構わないが、僕はそれこそ個人的な趣味として文学に最高の価値を置いているのだという意味で、文学と音楽、それから哲学である。それ以外のことには何も興味はないのです。以上。

Portrait of Cannonball Adderley

Portrait of Cannonball Adderley