36菩薩のクリスマスイブ

36菩薩のクリスマスイブとは、何ぞや。
いや、別に何だって構わないけどね。

新宿の街を後にした。二丁目の辺りを延々と歩き、cocoro cafeとサンドウィッチ屋さん(名前失念)に逝った。

二丁目を彼氏と散歩して驚いたのは、余りの人の少なさ、閑散とした眺めである。私は、きっとカップルは二丁目をほっつき歩いたりせず、どっかでいちゃいちゃしてるんだろう、と言った。彼氏は、今日は世間一般は三連休の最後の日だからじゃないか、みんな休みの日の前に遊ぶのだろう、と言った。

それはどちらでもいいが、通りだけではなく、cocoro cafeも大変空いていた。以前覗いた時、それは夏だったが、満席で入れなかったのだが。その晩は、タックスノットを覗いたが満席で入れず、cocoro cafeも入れない、という、気が滅入る夜であった。

今日は空いていたわけだが、店内でLGBT関係のチラシを全部チェックした。そして、カシスミルク(懐かしい!)を飲み、サンドウィッチ屋に移動。そう、店名はSubwayだ。そこで日替わりのサンドウィッチを食べた。そして、帰ってきた。今、JR中央線の車内である。iPhoneという非常に便利な文明の利器でこれを書いている。ベートーヴェンの第九を聴きながら。

それはともかく、私が想い出していたのは、数十年前、一瞬目にした光景である。私は、同性愛者と思われる若い人々が、どういう様子で、どういう格好をし、どこでどういう他愛ない話題を話しているのか、というような些事を、非常に細かく観察し記憶していたのである。

それは恐らく何十年経とうと変わらない人間の光景、人間の営みである。私は、固有名など喪失した、任意で誰でも良い人々の流れを注視し続けていた。

written by iHatenaSync