もしも人が死ぬほどまでに笑わなければならないのだとしたら…

内在的な道徳は、もしもそうできるのならば、私が理由なくして死ぬことを要求するであろう。だが何の名の下にこれを要求するのか。無の名の下にである。そして私はこの無を笑いとばさなければならないのだ。実際私はこの無を笑いとばす。するともはや要求はなくなってしまう! もしも人が死ぬほどまでに笑わなければならないのだとしたら、この内在的な道徳は抗しがたい笑いの運動ということになるであろう。(ジョルジュ・バタイユ『無神学大全ニーチェについて 好運への意志』酒井健訳、現代思潮社、p.354)

ニーチェについて―好運への意志 (無神学大全)

ニーチェについて―好運への意志 (無神学大全)