The Quintet "Jazz At Massey Hall"

The Quintet "Jazz At Massey Hall". Dizzy Gillespie (trumpet), Max Roach (drums), Bud Powell (piano), Charlie Mingus (bass): Featuring "Charlie Chan" (Charlie Parker) on Alto. (1) Wee (Tadd Dameron), (2) Hot House (Tadd Dameron), (3) A Night in Tunisia (D.Gillespie - F.Paparelli), (4) Perdido (J.Tizol-E.Drake-H.Lenk), (5) Salt Peanuts (D.Gillespie - K.Clark), (5) All The Things You Are (J.Kern - O.Jammerstein II) / 52nd Street Theme (Thelonious Monk). Recorded Live At Massey Hall, Toronto. May 15, 1953. ──ひょっとしたらジャズの歴史のなかで最も有名な一枚かもしれません。ビバップの代表的な5人が顔を揃えた録音はこれしかないのです。でも、内容をよく吟味してみますと、Parkerは既に全盛期を過ぎています。精神病院で電気ショックを受けて戻ってきたPowellのpianoは確かに快調ですが、かつての彼ではありません。Gillespie一人が元気です。Roach, Mingusはいつも通りです（彼らは或る時期から盛りを過ぎたりといったことはなかったはずです）。曲目を見ますと、Tadd Dameronの曲が2曲入っていますが、いずれも名曲です。彼がビバップの頭脳と称えられたのが当然だったとよく分かります。Dizzy GillespieがKenny Clarkと共作した"A Night In Tunisia"はjazzのなかで最も有名な曲でしょう。エキゾチックなテーマですし、演奏では特にGillespieが好調で、「カルメン」を引用したりして素晴らしいソロを聴かせます。Clarkはいずれも共作ですが、Gillespieと"Salt Peanuts"を作ったり、Thelonious Monkと"Epistorophy"を作ったりしています。"Perdido", "Salt Peanuts"も非常に良い演奏です。特に"Salt Peanuts"でのParker, Gillespieのユーモラスな歌と笑いは、ビバップの終焉を記念する記念碑です。"All The Thing You Are", "52nd Street Theme"ではPowellが抜け、別のpianistが入りますが、誰だか特定されていません。Al HaigかBilly Taylorではないかといわれています。

ジャズ・アット・マッセイ・ホール~フロム・オリジナル・レコーディングス