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聖なる怪物たち』の最終回を観ました。中谷美紀は春日井師長という役を演じています。所詮TVドラマだといえばそうなのですが、春日井師長は自分の妹の幸せのために殺人までしたのだという意識です。そのことを妹にも言いますが、妹からは、そのようなことが重い、重たい、と拒否されてしまいます。自分は殺してくれと頼んだ覚えはない、とか言われます。春日井師長は妹のためを思って生きてきたのですが、いつのまにかその妹は、金持ちの家、名家に嫁いで、その体面しか考えないような人間になってしまっていたのです。そのことに気付いて春日井師長は茫然自失して悲しんでしまいます。もちろん視聴している私はただの虚構であると承知して観ているわけですが、そういうことはちょっと気の毒だと感じてしまいます。

私はTVドラマは、『相棒』シリーズのほかは中谷美紀が出るようなものしか観ないのですが、過去の彼女の出演作でいえば『永遠の仔』を連想させます。音楽も少し似ています。(『聖なる怪物たち』はシューベルトアヴェ・マリアですが。)『永遠の仔』は、当時、天童荒太の原作小説も売れました。倉数さんはその原作小説は重苦しい感じで読みたくないといっていましたが、私は図書館で借りたことがあります。確かに読みたい気持ちがする小説ではありませんでした。天童荒太という人はどうも、単行本の段階と文庫にする段階とかで、何度も完全に書き直してしまう癖があるようです。だから『永遠の仔』の小説といってもいろいろなヴァージョンがあるわけですが、一々異同を確認するのも面倒臭いです。それにTVドラマとしてはともかく小説としては粗雑というか荒っぽいという印象です。『聖なる怪物たち』の原作小説も幻冬舎文庫から出ているそうですが、この物語を小説として読まされるのはちょっとしんどいと思います。