自営業は大変

老母から頼まれて自宅の斜め前にあるウエルシアにカレーを買いに行ってきた。158円だった。
道すがら考えたが、自営業というものは、賃労働と違って、収入、所得が保障されていない。努力しなければそもそも何も生まれないが、頑張ったら必ず成果があるというものでもない。成果がなければ、その分の労働は無価値だったということだ。厳しいが、中小零細自営業はみんなそうなのだ。
それと、もし年老いた両親が要介護状態になっても自分には彼らを介護することはできないと思った。彼らは私に迷惑は掛けないと言い張っているが、脳溢血で倒れて半身不随にでもなれば、厭でも私が世話するしかないのである。或いはもしも、認知症になったら。老父も、そうなる前に潔く自殺すると言っているが、多分口だけで実行はできないだろう。
また、彼等が倒れて手術や長期入院が必要となったとしても、医療費もない。貯金も0円だしそれどころか膨大な借金がある。いかなる意味においても我々は終わっている、ということを考え、少し暗くなる。
考えてみると、大分県に住んでいた頃のことを含めると芸音音楽アカデミーというのを随分長く続けてきたものだ。芸能プロダクションとも称していたが、プロの芸能人を輩出することはできなかった。そして今は、地方都市のカラオケ屋さんにまで落ちぶれている。母親も年老いた。30年前とはすっかり変わってしまった。だがそれも当たり前だ。
本来は私が働いて両親を喰わせねばならぬのだが、どうしてもそれができぬというところに、自分の限界なり駄目さ加減があると思う。