模写と鏡
図書館から杉原四郎著作集(J.S.ミルを論じた巻)、ルソー『孤独な散歩者の夢想』の岩波文庫版、吉本隆明の『模写と鏡』を借りてきた。
『模写と鏡』だが、すが秀実さんが『吉本隆明の時代』で指摘していた通り、武井昭夫に対する激しい罵倒の言葉が見られる。私が武井さんの原理的なマルクス=レーニン主義に同意しないことは既に述べたが、しかし武井さんの著作を先入観なしに読んでみようとは思っているので、吉本の罵倒はしばし忘れて、武井さんの本を読もうと思う。
しかし『模写と鏡』、時論的時評的なものは時代状況を離れると理解が難しくなるな、と思った。
杉原四郎のミル論では、ミルとマルクスの協同組合論を比較し、マルクスは晩年には協同組合に言及しなくなった、という意味のことを述べている。とすると、協同組合主義(アソシエーショニズム)をマルクスの共産主義の最終的な姿だと考えていた私のような者の認識は訂正しなければならないことになる。
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