小論

自由通貨meta、地域通貨LETSを運営してみての、失敗談というか、失敗の弁である。

もともと私は、NAMから派生した地域通貨Qプロジェクトに関わっていた。Qの反省からmeta、metaの反省からLETSを始めたつもりだったが、根本的に間違っていたと思う。

今、ベーシック・インカムの議論が盛んで、短期的には困窮した人や中小企業、自営商店などを支援するのにそれは必要かもしれないが、少し長期的に考えると、日本の国家財政破綻、破産が心配される。日本が破産した後、自治的な連合(アソシエーション)が機能するか、否か。地域通貨の問いは、それに関わっていると、私は考える。

国家破産後、生き残る・生き延びるには、人と人との中間団体的な?つながりなりリンクが要請されると思う。まず、つながりがあって、地域貨幣があるなら、交換(取引)の余地が生じる。人のつながりがないところに、システムだけ持ってきても、必要性のないところに、交換(取引)は始まらない。

地域通貨Qの反省は、人的つながりが不在のところに、システムだけ持ってきて、地域通貨しようとしたところにあるのだとすれば、自由通貨meta、地域通貨LETSは、Qの誤りを、矮小化したかたちで繰り返しただけとも言える。一般に、CCSP全般が、そうだといえる。

安房マネーは、活発で成功しているというが、グローバルになったら、また、ヴァーチャル(インターネット)になったら、どうかわからない。われわれが目指すべきなのは、日本が潰れた後でも食っていけるというくらいの、人間関係、つながり、リンクであり、それを媒介する貨幣なのではないか。

それを地域通貨というか、市民通貨というか、呼び名は何でもいいのだが、実際に現実に機能し流通し、交換、取引をもたらすものでなければならぬ。そうあるためには、どうすればいいのか。まず、必要性がなければならぬ。そして、技術的な改良も必要であろう。i-watというのがあるが、個人主義的な自立する個人の通貨なのだというが、私などには難しい。クレジットカードやイーバンク並みに平易で、セキュリティもしっかりしたもの、そういうシステムが組めればいいのだが。これはコンピューター技術者でないと無理だろうか。

既にあるQが、自然成長して、大きくなればいいのだが、私は規約違反のため、地域通貨Qへの再入会を拒まれている。なので、その課題はQ会員の皆さんに委ねるよりほかない。私は、meta、LETS等を運営しつつ、新しい発明に心を傾けねばならぬ。日本国家破産後の民衆の自治的連合・連帯の基盤の発明に心を傾けねばならぬ。

(補足)
id:kitarou1963さんへ。
つまりさ、Q会員は世界大(グローバル)に散らばってたわけ。お互いにお互いのことをよく知らなかったし、そんななかで交換しよう、取引しようといっても、限界があったんじゃないかな、と思うんです。metaやLETSも会員間の顔は見えない。それで、失敗だったと思うわけ。kitarou1963さんから、meta投げ銭もらっても、使い道ないじゃん? モノ・サービスが買えない、交換できないじゃん? その時点で、失敗だと思う。metaマーケットが、大きくなる見込みもないわけだし。Qについては、宮地さんの、Q(multi-LETS)楽天構想が、妄想と謗られたけど、必要だったんじゃないかなあ。楽天みたいな仕組みがないと、市場にならないよ。今、宮地さんがどう思ってるのか知らないけれども。

(補足)
地域通貨newと惰民党総裁としての地域通貨「惰民(damin)」も運営している。こりんの指摘で書き加える。