鎌田哲哉

あかねに置いてあった講談社学術文庫版の『戦前の思考』の解説を、批評家の鎌田哲哉が書いていた。
今鎌田哲哉は、「重力０３」で根本的なNAM＝柄谷行人批判を準備しているが、もともとは彼らは対立的ではなかった。「子犬たちへの応答」のような文章だけ見ていると、最初から柄谷行人が鎌田哲哉を軽視していたようにみえるが、実はそうではない。柄谷行人は鎌田哲哉にNAMに入ってもらいたいと強く願っていた。それが実現しなかったのは、NAM初期にあった空閑明大＝スペースAKとのトラブルのせいである。が、柄谷行人は、鎌田哲哉がNAMに入ってこないのは蛭田葵のせいだと誤解して（彼にはこの種の誤解が非常に多い）、蛭田葵に対して「鎌田が入らないのはお前のせいだ、お前はNAMをやめろ」と恫喝したりしていた。これは蛭田葵から直接聞いた話なので間違いない。

本来なら協働できたはずの人達が、悲惨な対立関係に陥るというのはどうしようもなく不毛で悲しむべきことに見えるが、どうにもならないのだろうか。