人生=音楽という病

Dさんの、

ん〜む、仮に中学の時点から、もっと腕の良いところに通っていたら、違う人生あったかもですねぇ…。

という発言を受けての文章です。

そうですねぇ。14歳の時の「発狂」、それは田舎秀才が都会に出て必ず受けるショックに似たものでした。

簡単に言えば、14歳のぼくは、自分のやってる音楽が、世界的レベルでは全く通用しないこと、のみならずクラシックのピアノは幼い頃からやってないと一流になるのは無理なので、もうクラシックのピアニストになったり音大・芸大に行くのはほぼ100%不可能なこと、を悟ったため「発狂」したのです。

言い換えれば、自分自身の才能のなさや限界を客観的に認識したが故に、それに対して拒否反応を示し、ぶっ壊れたと言ってもいいでしょう。

でもそれは、ぼくにとっては、人生上の必然とも言えるものです。幼い頃から、バンドマンだった両親に、「サラリーマンにはなるな。ピアニストになれ」と言われ続けて育ったぼくには、いつか必ず親の教えと現実の齟齬に直面する日が来るはずでした。それがたまたま14歳の時だった、ということに過ぎないのです。

逆立ちしてもホロヴィッツやパウエルにはなれない、という当たり前だが厳しい現実。ぼくはそれで、一旦音楽を完全に諦め、止めていました。再開したのはここ数年のことです。いいのか悪いのか分かりませんが、もう一度、音楽に賭けてみようと思ったのです。