楽譜に秘められた謎

我々ファンキー・シーズでは、「1960年代にタイムスリップしてみませんか」という、いささかトンデモな惹句を掲げている。が、これには根拠があって、母が現役バンドマン(バンドウーマン?)として活動していたのが60年代なので、その頃の譜面でぼくも他のバンドメンバーも練習しているので、音楽が60年代風になるというだけのことなのだ。

それで、最近、自分が子どもの頃から用いている楽譜の由来が気になっている。ぼくが使っている譜面は、本格的なジャズ(アドリブ重視)ではなく、アドリブ・パートも書き込まれたもの、つまり編曲された譜面なのだ。「スターダスト」も「セントルイス・ブルース」もアドリブ・パートが書かれている。が、編曲者の名前がクレジットされていないので、誰の手による編曲なのか、分からないのである。

200程ある楽譜の半分超は、編曲者名が書いてある。前田憲男ら当時のジャズメンが関わっていることは確実だが、誰がどういうふうに編曲し、それがどのように流通したのか、追及していけばきりがない。

恐らく一般では入手不可能と思われる。数十年前の、プロのバンドマンらが使っていた譜面だと思われる。それを流用して、いまだに使っているのだ。だからタイムスリップ。独自に作・編曲する才能が無いだけだといえば、それまでだが。