アントレプレケール intello precaire

フランスのインテリなんてデカルト以来、ずっと不安定インテリだったんじゃないの? (つまり国家公務員=公的教授ではないという意味で。)少なくとも創造的な哲学者はみんなそう。ディドロベルクソンサルトルラカンなど。私はラカニズムは嫌いだけれど、一つだけ好きな言葉があって、それは分析家は自分で自分を権威づけなければならない、というもの(細かい言い回しは忘れた)。国家や資本の用意する既成の諸制度に頼って権威づけるのではなく、自分で自分を承認する、というのはまっとうなやり方だと思う。

日本のインテリも、戦前の西田幾多郎などは屈辱的な経験をしたらしいし、彼の弟子達にしても、才能がある人程酷い目に遭っている(戸坂潤や三木清)。左翼の哲学者、船山信一や三枝博音なども大学に職が得られず大変な経験をしてきている。時代が時代だったというのもあるけれども、創造的な思考者らが不安定な境遇を余儀なくされるというのは、よくあることなのではないだろうか。