津軽三味線の稽古から帰る

津軽じょんがら節の「唄弾き」を完全にマスターし、私だけの特別な手というのも習い、喜んで帰宅する。帰りは、中村しずおhttp://www.shizuo.com/の母上に車で家まで送ってもらう。

思い出。母親http://music.geocities.jp/terukosettsu/がバンド仲間の松本文男http://www.muj.or.jp/old_contents/bigband/matsumo.htmに、私のピアノを見て欲しいと頼んだら、世良譲http://www.serainc.co.jp/に紹介してあげてもいいが、ワンレッスン10万円だと言われ、諦めたということがあった。20年前の貨幣価値で10万ですよ、10万。高いと思いませんか? 幾ら世良譲がビッグネームだと言っても、ワンレッスン10万円は払えないよ。

その後、高校生の頃、中学校の音楽の恩師・長谷川先生の紹介で、一時、クラシックを習っていた。が、私はクラシックでは劣等生で、やっとベートーヴェンの「悲愴」ソナタが弾けるくらいの腕前だった。この先生(女の人だった)のところに通っていた時のエピソードでよく覚えているのは、攝津君はちょっと様子が変なので精神科を紹介すると言われたことと、私がジャズ出身なのにまるでアレンジが出来ないという事実に驚かれたこと。

十代後半、市川ジャズ倶楽部の根本さんというボス的な人の紹介で、当時売り出し中のクリヤ・マコトhttp://members.jcom.home.ne.jp/tothemax/に習いに行ったことがあるが、そこではワンレッスン1万円だった。3-4回習いに行っただけで、月謝が払えず辞めてしまったが、よく覚えているのは、彼がチャーリー・パーカービル・エヴァンスを神のように崇拝していたこと。パーカーのアドリブを採譜した貴重な本を持っていて、私に貸してくれたこともあった。また、彼は私に、拡張されたハーモニーを教えてくれた。私は今でもそれを使ってバッキングをしている。

今は、シンガポール在住のピアニスト・アヤジーニャ(関根綾)さんhttp://aya.entropy.cc/から、菊地成孔http://www.kikuchinaruyoshi.com/がプロデュースしている南博http://www.graphic-art.com/minami/を紹介すると言われているが、お金がないので躊躇している。南博については、ライブで観たことはないが、新作の『Elegy』をAmazonで購入して聴き、そのリリシズムに圧倒された記憶がある。ビル・エヴァンスの曲を取り上げているのだが、本当に素晴らしい。『南米のエリザベス・テイラー』でも弾いていると思うが、そこでも素晴らしい味わいを発揮している。

バークレーとか音大・芸大にも行きたいが、特にペンギン音楽大学http://pingouin.g.hatena.ne.jp/に出席して勉強できればいいな、とも思うけど、とにかくお金がなくてできない。三味線と同じように、週1回3時間のレッスンを受けられれば、ピアノももっと巧くなるのにな、と残念でならない。資本主義社会だから、お金がないとサービスが受けられない。

私は我流でピアノをやっているけれども、我流・独学にしては良くやっているな、と自分で思うのだけれど。沢山曲も作っているし、即興も少々できるし。三味線にせよ、ピアノにせよ、生徒さんなりバンドのメンバーと比べたら、私は抜群に力がある。が、普通の人なら会社に出勤して働くところを、私は音楽をやっているんだから、よく出来て当たり前だ。求められればただでどこにでも行って演奏しているんだから、自らの特権的な富を社会に還元しているとも考えている。無償で原稿を書いたり、講演したり、演奏したりするのは、私にとって活動の一環である。勿論対価は払ってもらいたいが、別に無料でもいいと考えている。

南米のエリザベス・テーラー(DVD付)

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これと、これ。

Elegy

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