本質主義/構成主義を読み解く

私は大学の学部生の頃、OCCUR(動くゲイとレズビアンの会)にいて、そこでジェンダー/セクシュアリティを巡る理論的討論──本質主義/構成主義──の真っ只中にいた。が、私は、フーコーだのデリダを引いて難解な議論をする必要があるのかどうか、疑問に感じ、イギリス経験論やアメリカのプラグマティズムを参考に平明な理解がしたいと思った。今でも基本的な志向はそうだ。

例えば、性が生物学的に決定されているのか、文化的に構築されるものか、という議論がある。が、そもそもそれを二者択一的に捉えること自体が間違いではないか。性のような複雑な事象に関する習慣形成には、生物学的要素(例えば性ホルモン)も文化的・社会的・歴史的…要素も両方関与しているというのは自明なことではないか。

当時来日していた批評家キース・ヴィンセントらを中心に、合宿などして連日連夜討論した結晶が以下の本。懐かしい思い出でもあれば、苦い記憶でもある。

ゲイ・スタディーズ

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