ソーカル問題
私はドゥルージアンだが、ソーカルの批判を支持する。ガタリは、マテーム(数学素)などを用いるラカンらの(擬似)科学主義を全面的に拒絶すると何度も繰り返している。であれば、彼の語る「メタモデル化」を数学や物理学等々の言説から借りてきた概念?で粉飾すべきではない、と思う。
実際、その衣裳のために、ガタリの主張はひどく読みにくいものになっている。具体的に受苦する主体=患者に向き合う時、どう振る舞えばいいのか、ということに関して誠実に答えるものにはなっていないと思う。ガタリの全著作の中で、症例報告は僅か2-3しかない。それは問題的だと思う。
- 作者: アラン・ソーカル,ジャン・ブリクモン,田崎晴明,大野克嗣,堀茂樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/05/24
- メディア: 単行本
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