批判の実践

(臆見)人間社会は典型的な男と女とで成り立っており、一般に男は女を愛するものである。
(批判)人間社会には、「典型的な男と女」ではない無数の人々もいるし、男(だと自分のことを考える人)が女(だと見える人)を愛するものだとは限らない。性のありようは無限に多数多様であり、もろもろの微細な差異がある。

臆見のほうが一般に流布している信念であり、それを覆すのは難しい。批判的思考は常に少数派であり、力関係の中で絶えず表現を続けていかなければ「なかったこと」にされてしまう。