美しい国=戦争ができる国? そんなのいらないよ!

美しい国」とやらを掲げる安倍晋三自民党の総裁になり、内閣総理大臣になった。予想通りの展開であり、驚きはないが、「郵政」を前面に出して肝心要の憲法問題を姑息に隠していた小泉政権から、あからさまに憲法(特に9条2項)をターゲットにした改憲の欲望を露にしている安倍政権に移行し、私達の闘いも新たな段階に入ったといえる。

安倍は5年以内の改憲を明言している。彼のホームページでの言い分によると、日本に相応しい(と彼が称する)憲法に変えるのだそうだ。現憲法は占領下アメリカの「押し付け」であるからという理由で、にも関わらず戦争中毒のアメリカ帝国からの要望に応じるかたちで、憲法、特にその平和主義という肝心要の部分を変えようというのだ。それがどんな意味を持つかは、状況を見れば明らかである。「拉致」を口実とした、特に北朝鮮に対する戦争策動の中で、治安・安全を口実に日本国民を無理やり統合し戦争体制へ駆り立てていくことが目論まれているのだ。安倍がどんな政治家であったかを思い返すだけでいい。彼は、「拉致」を口実に、北朝鮮に対する強硬政策を主張し続けてきた政治家ではなかったか。そんな彼が日本国家の最高責任者となることが、今後の歴史においてどんな意味を帯びるかは明らかだ。アメリカ帝国に媚びへつらいつつ戦争国家化への道をひた走るポチ・日本。この国の右翼は本当に自主独立などということを望んでなどいない、「売国奴」ばかりだ。勿論私達は、国家や国民などといったものにアイデンティティや拠り所を求めたり、それに自己を託して自己実現を図ろうとするといった倒錯を否定する。だがそれにしても、本当に日本という国やそこに住まう全ての人々──日本「国民」もそうでない人も含む──の幸福といったことに思いを馳せるならば、今の与党政治家の多くの政策は、全く悪夢のようなもの、欺瞞的なものでしかないことが分かる。

安倍が5年掛けて改憲すると言い放つなら、私達戦争に抵抗し平和を望む草の根の民衆は、5年間持続する闘いを創っていこう。平和とはただ受け身に受け取るものではなく、自ら主体的・能動的に創るもの、不断の闘いを通して勝ち取られるものだ。私達は、その意味で、平和を創るべく闘うことを宣言する。そして、考えたくないことだが、万が一憲法改悪がなされたとしても、なお私達は戦争に反対であり、戦争協力を拒み続けることも言い添えておこう。世界中の全ての人々に向けて、戦争策動に抵抗して立ち上げるよう訴える。共に闘おう!