アンチ・オイディプスより

以下、現在ではスキゾのみならずJUNKを考える際に役立つのではあるまいか。

いたるところで、資本主義は<分裂者の流れ>を流通させている。この<分裂者の流れ>は、ときに凝固してわれわれの世界に「われわれの」病人たち《すなわち、分裂症患者たち》を生みだしてはいるが、それと同じ程度にまた「われわれの」芸術や「われわれの」科学にたえず生気を与えてもいる。既にみたように、分裂症と資本主義との関係は、生き方や環境やイデオロギーなどの問題を遥かに超えて、唯ひとつの同じ生産過程の次元で《唯ひとつの同じ経済の次元で、といいかえてもいい》、つまりこういった最も深い次元で提起されるべき問題であったのだ。われわれの社会は、ドップのシャンプーやルノーの自動車を生産するように、分裂者たちをも生産するのだ。ただ、唯一の相異は、かれらは売られるものではないということである。[p294]