忌まわしい声━━「“分離壁”やむを得ない選択」

朝日新聞が、STOP THE WALL in PALESTINEの当日にぶつけて「私の視点」欄にイツハク・リオール駐日イスラエル大使が寄せた「“分離壁”やむを得ない選択」と題する投稿を掲載しました。それは恥ずべき忌まわしい内容です。

 殺人という任務を帯びてイスラエルに送り込まれる者たちは、年若い子供たちを洗脳するシステム化された生産ラインの「最終製品」である。彼らは自分自身と一人でも多くの人間を爆弾で吹き飛ばす覚悟ができるまで、不合理な憎悪を吹き込まれる。

「不合理な憎悪」?__一度でもパレスチナ報告会に行って、現地でイスラエル国家、イスラエル軍パレスチナの人々に振るっている暴力がいかにひどいものであるか、「検問所」で救急車が足止めされるために死ななくても良い人までもが死ななければならないなど悲惨な実態を知っている人なら、そのような現実が「憎悪」を生むのは実に「合理的」だとしか思えないはずだ。
「年若い子供たちを洗脳するシステム化された生産ライン」があるとすれば、まさにイスラエルが構造化してしまった今の状況それ自体ではないか?

 この治安目的のフェンスが、その反対側の人々の生活を「不便」にするという議論がなされた。ある程度は正しいだろう。遠回りを余儀なくされる農民もいるだろうし、イスラエルを通過する人々は検問で身分を証明する必要が出てくる。だが、テロと闘い、同時にいかなる不便もないということは両立しない。

「不便」どころではない。分離壁近くの家屋は取り壊され、畑などは根こそぎにされる。すぐ近くの人に会いに行くこともできなくなる。これは「不便」などといった言葉で言い表せるものではない。
何より許しがたいのは、次のような言葉だ。

これがイスラエルに難問を突きつけている。無慈悲なテロリズムに対して、民主主義はどうやって効果的で「きれいな」対策を取れるのかという問題である。

民主主義という言葉自体がこのような使用法によっては汚染されたというほかない。無慈悲なのは自爆攻撃を余儀なくされる人たちなのか? 無辜の民衆を殺したり傷つけたり苦しめたりしているイスラエル国家の際限のない暴力行使のほうなのか?__《効果的で「きれいな」対策》! 驚くべき破廉恥な形容だ。

 フェンスはイスラエルパレスチナの人々の心理的分断を象徴するだけでなく、失われた和平の好機の数々を記録するモニュメントでもある。この見苦しいフェンスを父祖の土地に見ることを、イスラエル人は本当は嘆いている。

なんたる偽善!
イスラエル人は本当は嘆いている」のに分離壁を建設し続け、家屋や畑を破壊し続けるわけだ。

分離壁」の実態については以下を参照。

http://www.stopthewall.jp/
http://plaza17.mbn.or.jp/~CCP/wall/wallf.html
http://www.onweb.to/palestine/
http://palestine-heiwa.org/wall/stop/
http://palestine-heiwa.org/wall/wall.html

ひとりでも多くの方が朝日新聞に抗議してくださるように心からお願いします。

○ 朝日新聞
kouhou@asahi.com

電話でも抗議しようとして一面に載っている番号に電話したけれど、今日は日曜日、明日は祝日で、担当者がいなくて苦情は受け付けていないとのこと。
火曜日にはぜひ以下の番号に抗議を!

○ 朝日新聞広報部 平日の午前9時から午後9時まで
03-5540-7615