倉庫内労働者の憂鬱

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攝津は土曜日、やはり倉庫を退職しようかと考えた。両親からAmazonでの買い物を責められた事による情緒不安定が原因である。よし、何も買わぬ、その代わり働かぬぞ、と思ったのだ。だが、思い詰めて一階でパソコンに向かっていると老母が降りてきて切々と情…

攝津は凡庸な自分として凡庸な日常に復帰しようとしていた。復帰出来るかは分からなかった。堪えられるか、どうか。まだ分からぬ。だが、慣れた仕事に戻りたい。慣れた仕事場こそ「自分の居場所」である。慣れた仕事場で慣れた手作業をしている自分こそ「本…